炭化ケイ素(SiC)半導体の酸化メカニズムのより深い理解を目指し、1)SiC上の酸化膜構造分析、2)酸化処理基板のフォトルミネッセンス・イメージング観察、3)SiC酸化過程の実時間観察等の実験を行った。 1)の結果から、SiCの酸化時における酸化界面から酸化層への“Si原子放出現象”を世界で初めて観察することに成功した。2)の結果より、積層欠陥が酸化によって変形すること、Si酸化で見られる“酸化誘起積層欠陥”と同様の欠陥がSiCでもまた形成する可能性が示唆された。3)の結果から、統合SiC酸化モデルが構築され、SiおよびC原子の界面濃度から界面欠陥の形成をシミュレーションした。
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