本研究では、高電圧絶縁信頼性の極めて高い複合ナノコンポジットの実用化に向けて、アゾベンゼン化合物(4-ヒドロキシアゾベンゼン(hy_Ab))とAl2O3を添加した低密度ポリエチレン複合ナノコンポジットを作成し、それについて熱的耐久性試験を実施した。試験は15,000hまで行われた。重量、体積抵抗、UV吸光度の3項目ついて測定した。試験の結果、重量変化と体積抵抗変化を評価項目としたRTEは約20の向上が見られた。また、UV吸光度についての測定結果からhc_Abのブリードアウトは見られなかった。これらの結果により、複合ナノコンポジット絶縁物は長期熱的耐久性を有した絶縁材料であることが実証できた。
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