NH3を窒素源とするInNのMOCVD成長では、500℃程度の低温で高密度の活性窒素が供給できれば、高品質のInN結晶が得られることが期待される。そのような観点からInNのNH3分解触媒援用MOCVD成長の研究を行った。今回、NH3分解触媒として日本触媒化成(株)製N134を使用することにより、通常のMOVPE成長での最適成長温度600℃よりも150℃低い450℃でも単結晶InN膜が成長できること、さらに、成長温度500℃付近ではマイグレーション効果の著しい増大が生じることを見出した。これらの結果はNH3分解触媒援用MOCVD成長法がInN系材料の将来性のある成長方法になることを示している。
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