研究課題
最近、電子セラミックスなどの強誘電体材料では新奇な現象として、材料をナノサイズにしたとき、強誘電分極と相互作用する特異なトンネル電流が見いだされ、非常に注目されている。この現象を応用することで、ナノサイズ、超低消費電力、高耐久の究極のメモリ素子が得られるため、現象解明が渇望されている。本研究は、独自の手法・アプローチとして、(1)自己組織化を利用した高品質なナノ結晶育成、(2)超高感度電流測定による強誘電体ナノ膜の界面状態評価、を活用することで、この新現象の解明に取り組むとともに、将来の応用に有用な知見の獲得を目指すものである。昨年度はZnOのナノ結晶膜の形成に成功したが、材料評価装置の不具合のために結晶膜の最適化、つまり表面平坦化や超高品質連続膜への指針を得るには至らなかった。今年度は評価装置の調整と改良を済ませ、昨年実施できなかったZnOの膜質改善に取り組んだ。作製条件を変化させ、成長中の表面エネルギーの最適化として基板温度と入射エネルギー、酸素イオン濃度の調整で、ZnOナノ結晶の形状とサイズが広い範囲で調整出来ることを示した。その結果、メモリナノドットには十分や広さを持った100nmサイズの平坦なナノ単結晶を、均質かつ位置制御して形成することができた。これで、ナノメモリのナノ積層構造の基板技術が得られたことになる。
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