研究課題/領域番号 |
24560378
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
森口 哲次 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40243985)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 有機半導体 / 金属錯体 / 単結晶X線構造解析 / n型半導体 / p型半導体 / 平面型錯体 |
研究概要 |
新規な有機無機ハイブリッド型半導体材料の開発を行うことによって現在の従来技術を用いる際に発生する問題を解決する。その性能の要となる配考制御部位錯体群の段階的な合成法の確立を行い、それを達成した。具体的にはこれらの化合物を製膜した際、電気伝導を担う部位が整列させることが必須条件であり、申請者らが特許化している極めて大気安定性なリンカー部位を有するp型(特願2009-077398号)及びn型(特願2009-053759号(JST国際出願支援決定))の有機半導体部位をペンダント結合で組み込んだ4配位亜鉛錯体と高8配位型ランタノイド錯体群を合成し、その合成ルートの確立に部分的に成功した。 また、平面型4配位白金属錯体の合成も併せて行い、その基本的合成ルートの確立も行った。 本申請研究でそれら化合物の構造評価を合わせて行い、単結晶X線構造解析によってその良好な結晶内パッキング(積層性)を有することを明らかにした。 さらに、分子計算手法と合わせて、半導体としての可能性を確認することができた。 本研究の成果及び周辺研究の成果については、日本化学会春季年会において学会発表済であるとともに、成果論文の執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的の達成度については、目的化合物錯体の合成と構造特性、結晶内などでのパッキング様式の評価について、分子設計を行った白金やパラジウム平面4配位錯体について合成途中であったり、合成段階での反応選択に部分的に問題があり、達成度は50%程度に止まった。しかし、その合成ステップを回避する方法がすでに計画済みである。 一方、亜鉛やランタノイド錯体などの、正四面体錯体や8面体錯体、さらには8配位錯体は合成の達成度は良好であり、その構造特性の解析は一部で終了している。 上記の化合物群の合成はすべて終了しているわけではないが、合成・精製・構造解析が終了したものから順次湿式法によるデバイス作成の基本性質である、溶解性や製膜性(アモルファス様)を試験していく。
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今後の研究の推進方策 |
今後、合成が完了した錯体群については、電気的物性である半導体特性について、錯体の蒸着は困難であることから、湿式法の一つであるドロップキャスト法によりデバイス作成を行って、それらの特性評価を行う。 湿式法の一つであるスピンコーティング法によるデバイス作成については翌年度の実施となる。 現在のところ研究方針について大きな変更はなく、さらなる研究速度の加速を必要としているのみであると考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
本申請研究の初年度に達成した化合物群の合成ルート改善を行い、本年度合成がなされなかった錯体化合物群の合成を行いつつ、当初の計画を遂行していく予定である。 また、電気的物性である半導体特性について、錯体の蒸着は困難であることから、湿式法の一つであるドロップキャスト法によりデバイス作成を行って、それらの特性評価を行う。
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