3元タリウム化合物の局所的な巨大光誘起変形現象について,その変形量の定量的な評価を行った。光損傷閾値より2桁小さい光強度で,マイクロメーターオーダーの変形量を示すことを明らかにし,時間応答性の結果と併せて,本現象がマイクロメーターサイズを対象とした光駆動機構への応用が可能であることを示した。シミュレーション結果との比較から,3元タリウム化合物の小さな熱伝導率が変形の局所性に寄与していることがわかった。タリウム化合物の構造相転移温度で,電子準位構造の変化が生じていたことから,相転移による物性変化が光誘起変形の巨大性に関与している可能性が考えられる。
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