研究課題/領域番号 |
24560391
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
日景 隆 北海道大学, 情報科学研究科, 助教 (30312391)
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キーワード | RFID / 電磁干渉影響 / 超伝導フィルタ / 数値解析技術 / AIMD |
研究概要 |
本基盤研究課題は,高精度な数値シミュレーションによる電磁干渉影響評価法,特に植込み型医療器である心臓ペースメーカ等への干渉影響評価法を開発し,同評価法を用いて超伝導フィルタ技術を適用したミリ波帯RFID(Radio Frequency Identification)読取装置の低干渉性実証を目的としている.研究代表者らの提案によるRFID読取装置の電磁干渉影響評価プログラムを高周波数帯まで対応できるものに機能拡張し,ミリ波帯RFIDの植込み型医療器に対する干渉影響評価ツールを開発する.さらに,超伝導フィルタの受信系適用によるRFID 読取装置の感度上昇効果とミリ波帯電波の利用による電磁干渉影響低減効果の定量評価を実現する. 本年度は,平成24年度の成果に基づき,引き続き以下の項目について検討を進めた. 項目1)前年度検討した超伝導技術適用によるミリ波帯R/Wアンテナの感度上昇効果を見込んだ干渉影響について詳細な定量的評価を実施. 項目2)数値解析による干渉影響評価ツールを用い,送受信アンテナ間の環境条件,具体にはアンテナ間距離や人体の存在条件を変化させた場合の送受信特性および電磁干渉影響についての評価を実施し,ミリ波RFID R/W実用化の可能性について明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請課題の最終的な目的は,大規模数値シミュレーションによる従来にない高精度な電磁干渉評価ツールの開発と,それを用いた超伝導フィルタ適用のミリ波帯RFID読取装置の低電磁干渉性の実証である.本年度は,平成24年度の成果に基づき,引き続き検討を進めた.ミリ波帯R/Wアンテナの感度上昇効果を見込んだ干渉影響について詳細な定量的評価を実施し,開発した干渉影響評価ツールを用い,送受信アンテナ間の環境条件を変化させた場合の送受信特性および電磁干渉影響についての評価を実施し,ミリ波RFID R/W実用化の可能性について明らかにした.研究目標として挙げた3項目の内,1項目が達成され,残り2項目が計画通り進捗している.なお,本研究課題に関連して,査読付国際会議での成果公表4件(次年度公表決定1件含む),国内学会・研究会での公表3件があり,おおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は研究最終年度であり,目標として挙げた3項目である,i)数値シミュレーション技術を用いたRFIDシステムの電波による電磁干渉影響評価技術の開発,ii)超伝導フィルタ適用によるミリ波帯高感度RFID R/Wの実現性検証,iii)ミリ波帯RFID技術の基礎検討と干渉緩和効果の実証,について成果を取り纏め,実用化に向けた課題抽出,さらに,本研究成果のRFID以外の他の電波利用機器に対する応用可能性について検討する.
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次年度の研究費の使用計画 |
数値シミュレーション実施において,計算機プログラムのアップデートにより当初予定していた大型計算機の使用時間が短くなったため差額が生じた. 当該の研究費は,次年度以降の計算機使用料等として使用することとし,申請時の計画より詳細なシミュレーション評価を行う.さらに,本研究で得られた成果や知見を国際学会等で報告するための旅費および投稿料の使用を予定している.
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