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2012 年度 実施状況報告書

GaN系HEMTにおける電子速度の詳細評価の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24560392
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

末光 哲也  東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (90447186)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードGaN / トランジスタ
研究概要

本研究の基礎となる,GaN系高電子移動度トランジスタ(HEMT)の基本作製技術を確立した。具体的には,まずサファイア基板上に標準的なAlGaN/GaNヘテロ構造を持つ試料を適当な大きさに切り出し,誘導結合型プラズマエッチング技術を用いてAlGaN/GaNヘテロ構造をエッチングし,素子間分離をする工程を確立した。次に,AlGaN/GaNヘテロ構造表面にオーミック電極を形成するために,電極金属の構成およびアニール温度・時間等の条件を最適化し,オーミック接合を実現する工程を確立した。更にAlGaN表面へのショットキー接合により,ゲート電極を形成する工程を確立し,HEMT作製のプロセスを完成させた。続いて,AlGaN/GaN HEMTのパイロット試作を実施し,完成した素子の電気特性を評価することにより典型的なトランジスタ特性が得られることを確認した。更に,表面パッシベーション膜としてプラズマ化学気相成膜法により堆積したSiCNを適用することによって,GaN系材料で問題となる電流コラプス現象を低減出来ることを確認した。このSiCN膜をGaN系HEMTのパッシベーションに応用してその効果を確認したのは本研究が初めてであり,その成果を論文化した。以上の技術を応用して,ゲート長0.3ミクロンのAlGaN/GaN HEMTを作製し,電子速度の評価に不可欠な高周波Sパラメータ評価を実施できるまでに至った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の目的を実現するために不可欠となるGaN系高電子移動度トランジスタの基本構造の作製技術を確立すると共に,電子速度の評価に不可欠な高周波Sパラメータ測定まで実施することが出来た。

今後の研究の推進方策

研究開始から2年目となる平成25年度は,電子速度の詳細評価用素子として提案した分割ゲート電極を持つGaN系高電子移動度トランジスタの作製を開始する。分割ゲート電極を形成するためのプロセス技術の検討と,その結果を素子作成に応用する。

次年度の研究費の使用計画

分割ゲート電極を持つGaN系高電子移動度トランジスタ(HEMT)の作製用,および,短ゲートHEMT作製用に,新たなヘテロ構造付きウエハを購入する。また,分割ゲート電極付きHEMT用に新たなマスクを作製する必要があるため,マスク用乾板の購入をする。更に,素子試作の際に必要となる,電極用蒸着源金属を始めプロセス消耗品の購入が必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] AlGaN/GaN MIS-gate HEMTs with SiCN gate stacks2013

    • 著者名/発表者名
      K. Kobayashi, M. Kano, T. Yoshida, R. Katayama, T. Matsuoka, T. Otsuji, T. Suemitsu
    • 雑誌名

      Physica Status Solidi (c)

      巻: 10 ページ: 790-793

    • DOI

      10.1002/pssc.201200609

    • 査読あり
  • [学会発表] 多層SiCN絶縁膜によるAlGaN/GaN HEMT用傾斜フィールドプレートの形成2013

    • 著者名/発表者名
      小林健悟,吉田智洋,畠山信也,尾辻泰一,末光哲也
    • 学会等名
      電子情報通信学会総合大会
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      20130319-20130322
  • [学会発表] SiCNゲート絶縁膜を用いたAlGaN/GaN MISゲートHEMT

    • 著者名/発表者名
      小林健悟,吉田智洋,尾辻泰一,片山竜二,松岡隆志,末光哲也
    • 学会等名
      電子情報通信学会電子デバイス研究会
    • 発表場所
      東京

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公開日: 2014-07-24  

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