研究課題/領域番号 |
24560393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
齊藤 敦 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (70313567)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 送信用フィルタ / 超伝導フィルタ / 超伝導バルク / 耐電力 / 相互変調歪 / IP3 |
研究概要 |
平成24年度は超伝導フィルタの開発及び耐電力測定システムの開発を行った。まず,送信用フィルタの開発として超伝導バルクディスク共振器3段フィルタの設計と作製を行った。フィルタの設計では,最もシンプルで成果のあるチェビシェフ型フィルタを採用した。これまでとの相違点は,誘電体基板を個々の共振器ごとに分離した構造を採用した点にある。これにより各共振器間の余分な飛越結合を低減させたフィルタを実現できる。その結果,平成24年度の目標である,フィルタ段数3段,挿入損失0.1[dB]以下,中心周波数5.0[GHz]/帯域0.1±10%[GHz],スカート特性3[dB/5MHz]を達成するフィルタの設計ができた。また,設計をもとにフィルタの試作を行った。共振器に用いる超伝導バルクは新日本製鐵株式会社による溶融単結晶 Gd-Ba-Cu-O バルクを採用した。20 K GM冷凍機付き真空チャンバーとベクトルネットワークアナライザを用いて周波数特性の評価を行った結果,フィルタ特性を得ることができた。フィルタには各共振器の共振周波数と結合係数を独立に変化可能なトリミングロッド機構を付加し,良好なフィルタ特性が得られるように低温で周波数特性を観測しながら調整が可能であることから,更なる高性能化ができる。また,耐電力特性の評価については本提案の目標である 100 W 以上の耐電力特性を評価するために 100W のパワーアンプを購入し測定システムを構築することができた。さらに相互変調歪特性を評価可能なシステムを構築し,IP3=70[dB] を実現することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では,①3段フィルタを対象にして超伝導バルクフィルタの最適な形状を明らかにする。②最適化された3段フィルタを作製し,100 W以上の耐電力を示すか否かを明らかにする。③多段(4~9段)共振器フィルタの最適なデザインを明らかにする。 ④段数(共振器数)の増加による耐電力低下に関する実験的な知見を得る。という4点を目標に計画した。 平成24年度は超伝導フィルタの開発及び耐電力測定システムの開発を行い,具体的な目標である,フィルタ段数3段,挿入損失0.1[dB]以下,中心周波数5.0[GHz]/帯域0.1±10%[GHz],スカート特性3[dB/5MHz]を達成するフィルタの設計ができた。従って①については達成できた。また,設計をもとにフィルタの試作を行った結果,フィルタ特性を得ることができた。さらに,耐電力特性の評価については本課題の目標である 100 W 以上の耐電力特性を評価可能にするために 100W のパワーアンプを購入し測定システムを構築することができた。さらに相互変調歪特性を評価可能なシステムを構築し,IP3=70[dB] を実現することができた。しかし,耐電力特性を正確に評価するフィルタ特性には至っていないことから,②については,やや遅れていると評価できる。③,④については,平成25年度,及び平成26年度に実施予定の項目であることから,全体としておおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,前年度の結果を踏まえて共振器の多段化とそのフィルタの耐電力特性を評価する。3段超伝導バルクディスク型フィルタの周波数特性の改善と耐電力特性を行い,目標とする100 W を達成できるか否かを調査する。また,設計では同共振器構造を採用し,4段,及び5段フィルタまでの設計を行う。この最適設計をもとにフィルタを試作し,同様にフィルタ特性,及び耐電力特性の評価を行う。 平成26年度は,これまでの結果を踏まえて最終的な共振器の多段化とそのフィルタの耐電力特性を評価する。平成25年度までに最適な共振器構造を明らかにし,9段超伝導フィルタの設計を行う。9段フィルタは電力伝搬方向へのサイズが大きくなってしまうため,直列型及び折り返し構造を考案し,フィルタサイズの低減についての検討を行う。また,クロスカップリング(飛越結合)技術を用いて,フィルタ特性に減衰極を持たせることにより,さらに急峻なスカート特性が得られるようなフィルタを設計する。共振器の増加によりスカート特性が急峻が期待される。 最終的なスカート特性の目標を達成するための最適デザインの決定後,同フィルタを試作し,周波数特性,及び耐電力特性の評価を行う。以上の結果から,超伝導バルクを用いたフィルタの段数と耐電力特性の関係を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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