本研究では次世代移動体通信のための100W超級送信用超伝導フィルタを開発すること目的として超伝導バルク共振器フィルタの設計・作製・評価を行った。フィルタ構造としてディスク型共振器が高耐電力に有効であることを明らかにした。また,5段ディスク共振器フィルタを設計・試作し126 Wという世界最高の耐電力特性を得ることができた。今回までの研究成果から,申請者が提案する超伝導バルク共振器フィルタは低損失,高耐電力,急峻なスカート特性を併せ持つ次世代送信用超伝導フィルタとして有望であることを明らかにできた。さらに多段化による諸特性の傾向が一般的な薄膜型と異なる点が新たな物理的興味として見出された。
|