高周波・高出力化を目指しGaInAs/AlAs共鳴トンネルダイオード(RTD)テラヘルツ発振器について研究を行った。まず、高周波化に向け走行時間を減らすため、空乏層の長さを決めているコレクタスペーサ層厚の最適化を行った。さらに、井戸内滞在時間を減らすための狭井戸化を行い、導体損失を低減したアンテナと組み合わせることで1.92THzの発振を得た。これは現在電子デバイスで最高の発振周波数である。高出力化に向けて、インピーダンスマッチングのためのオフセット給電スロットアンテナとアレイ化による出力合成を行った。これにより620GHzにおいて610μWの高出力が得られた。
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