研究課題/領域番号 |
24560422
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
水野 智久 神奈川大学, 理学部, 教授 (60386810)
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研究分担者 |
鮫島 俊之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30271597)
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キーワード | 電子デバイス / 半導体物性 / マイクロ・ナノデバイス |
研究概要 |
平成25年度の研究業績は,1))半導体の二次元構造(2D-Si)への不純物ドーピングの実現及び特性への影響,2)2D-Siの量子閉じ込め効果の結晶方位依存性の実証,の2つにまとめられる.以下,項目ごとに詳細を述べる. 1)不純物ドープト二次元半導体構造の特性変調の実証.SOI(silicon-on-insulator)基板へのリンイオン注入法を用いて,n+2D-Siを形成し,0.54nmのSi膜厚の極薄膜化をドープト2D-Siにおいても実現できた.UV-Raman分光により,ドープト2D-Siにおいても,フォノン波数ベクトルの不確定性原理起因のフォノン閉じ込め効果の計測に成功し,それが,不純物濃度に依存しないことも判明した.一方, フォトルミネッセンス法(PL)により,ドープト2D-SiのバンドギャップEGは不純物添加の無い2D-Siより低く,しかも3D-SiにおけるEGの不純物によるナローイング効果より小さいことが判明した.これは,2D-Si固有の特性であることがわかった. 2)2D-Siの量子閉じ込め効果の結晶方位依存性の実証.UV-Raman分光の偏光特性解析により,2D-Siのフォノン閉じ込め効果領域のRaman強度は,通常のRaman選択則からずれる事が始めて実証された.一方,PL偏光測定により,EGの結晶方位依存性はないことが判明した.しかし,PL強度には入射レーザー光の平行及垂直方向のPL強度に差が出ること,即ちPL光には偏光が存在することが判明した. 以上の研究成果は,2013年度国際固体素子材料学会において2件,応用物理学会において5件の学会発表を行った.更に,2014年にはJpn. J. Appl. Phys.に2件,論文掲載された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書における研究の目的,及びその研究実施計画で述べた1)二次元半導体の形成法の確立,2)二次元半導体における量子閉じ込め 効果の実証,の二項目については,上記研究業績の概要において述べたように,全て達成できた.一方,研究実施計画3)における二 次元半導体を用いたデバイス試作については,試作をほぼ終了し素子特性を計測中である.また,研究実施計画4)の第一原理計算は現在,継続中である. 従って,研究は概ね順調に進展していると思われる.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は以下の三項目である. 1)試作したMOSFET特性評価の加速と不良解析を考慮した二次試作. 2)二次元Siにおける量子閉じ込め効果の詳細解析,特に,その温度特性解析の推進,及び第一原理計算を利用した特性解析の推進. 3)新半導体の2D化,特にSiGe,及びGe半導体の二次元構造化と,その量子閉じ込め効果の実証.
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費の使用頻度が少し不足したため. 主に,旅費に充当する予定である.
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