研究課題/領域番号 |
24560425
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研究機関 | 新潟工科大学 |
研究代表者 |
金井 靖 新潟工科大学, 工学部, 教授 (00251786)
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キーワード | 垂直磁気記録 / 記録ヘッド / マイクロマグネティック解析 / 並列計算 |
研究概要 |
1)新しい計算システム 2台目の計算機システムを導入し,ライトヘッドのギャップ中に高周波を発生する素子(スピントルク発振素子:spin torque oscillator: STO)を組み込んだ複合型ライトヘッドの計算が可能となった.なお,優先度を考慮し,渦電流プログラムは当面棚上げとした. 2)次世代垂直磁気記録方式に対応した磁気記録ライトヘッドの提案 シングル磁気記録(shingled magnetic recording: SMR)と2次元磁気記録方式(two-dimensional magnetic recording: TDMR)を組み合わせた検討を進めている.リード素子を2個または3個使った読み出しに関わる信号処理が主な研究課題であり,申請者は愛媛大学,シンガポールA*STARのDSIと共同で進めている.高周波アシスト磁気記録(microwave-assisted magnetic recording: MAMR)についてはライトヘッドのギャップ中に高周波を発生する素子(スピントルク発振素子)を組み込んだ複合型ライトヘッドの計算が可能となった.材料と構造の両面から検討を進めており,国際会議(5月,ドイツ)で発表予定である.熱アシスト磁気記録(thermally-assisted magnetic recording)は,高周波電流に対して最適な記録磁界を発生するための構造を提案しており,国際会議(5月,ドイツ)で発表予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シングル磁気記録(shingled magnetic recording: SMR)は 2次元磁気記録方式(two-dimensional magnetic recording: TDMR)の検討を愛媛大学およびシンガポールAgency for Science, Technology, and Research(A*STAR)のData Storage Institute (DSI)と共同で進めており,当初本事業では予定していなかった成果が得られつつある.高周波アシスト磁気記録(microwave-assisted magnetic recording: MAMR)はライトヘッドのギャップ中に高周波を発生する素子(スピントルク発振素子)を組み込んだ複合型ライトヘッドの計算が可能となった.材料と構造の両面から検討を進めており.国際会議で発表可能な成果が得られた.熱アシスト磁気記録(thermally-assisted magnetic recording)は,高周波電流に対して最適な記録磁界を発生するための構造を提案しており,国際会議で発表予定である. 一方,渦電流を取り扱うマイクロマグネティックソフトウェアは,当初の差分法から有限要素法ベースで検討することとしたが,プログラム開発が困難で進捗が遅れている. 以上を考慮し,おおむね順調に進展していると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
高性能計算機を1台追加購入し,次世代垂直磁気記録のためのライトヘッドシミュレーションを進める. 1)信号処理が中心課題となる2次元磁気記録方式(two-dimensional magnetic recording: TDMR)に対応したシングル磁気記録(shingled magnetic recording: SMR)ライトヘッドを提案し,愛媛大学およびシンガポールと共同で研究を進める. 2)高周波アシスト磁気記録(microwave-assisted magnetic recording: MAMR)はSMRを想定し,ライトヘッドのギャップ中に高周波を発生する素子(スピントルク発振素子)を組み込んだ複合型ライトヘッドの動作が安定するように,材料と構造の両面で最適な解を探索する. 3)熱アシスト磁気記録(thermally-assisted magnetic recording)はSMRを想定し,高周波電流を印加した際に高一軸異方性媒体に対して最適な記録磁界を発生するための構造および材料を提案する.
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次年度の研究費の使用計画 |
実際に購入した計算機が,購入予定だった計算機よりも性能がよく安価であったため.また,予定していた海外出張を取りやめたため. 計算効率向上のため,高性能計算機を1台購入する.また,5月に海外出張し,研究成果を発表する予定である.
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