1)計算システム(ハードウェア,ソフトウェア) 申請当初と比べ高性能の計算機が安価に購入可能となったため,3台目の計算機システムを導入することができた.自作プログラムに加え,市販プログラム(富士通,EXAMAG)も利用した. 2)次世代垂直磁気記録方式に対応した磁気記録ライトヘッドの提案 シングル磁気記録(shingled magnetic recording: SMR)と2次元磁気記録方式(two-dimensional magnetic recording: TDMR)を組み合わせた検討を進めた.リード素子を複数個使った読み出しに関わる信号処理が主な研究課題である.申請者は記録ヘッドを担当し,愛媛大学,シンガポールA*STARのDSI,また米国ASTCを通じた米国諸大学と共同で進めた.高周波アシスト磁気記録(microwave-assisted magnetic recording: MAMR)についてはライトヘッドのギャップ中に高周波を発生する素子(スピントルク発振素子:STO)を組み込んだ複合型ライトヘッドの計算が可能となった.STO単体および記録ヘッドに組み込んだ場合について材料と構造の両面から検討を進め,STOと記録ヘッドの相互作用により発振条件(材料,構造,電流密度)が厳しくなることを報告した.東北大学,九州大学,工学院大学と共同研究を進めている.熱アシスト磁気記録(thermally-assisted magnetic recording)は,東北大学,工学院大学と共同で研究を進め,高周波電流に対して最適な記録磁界を発生するための構造(ヨーク長を短くする,ヒートシンクを兼ねた軟磁性裏打層を配する,など)を提案,報告した.
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