赤外レーザ光を用いる胃のポリープ除去治療では、胃壁表面の水分に吸収されてレーザ光が弱まるため、大きなレーザパワーが必要であり、また胃の上部治療のためには半径15 mmの曲げに耐える伝送路が要求される。しかし、現存の伝送路では対応できない。本研究では、体を全く傷つけず、従来にない新規な「無侵襲」治療を実現するために、低出力でも優れた切開能力を有するEr:YAGレーザ光と、止血能力のある高出力CO2レーザ光を同時伝送可能な光学膜内装銀中空ファイバの導入を提案し、太径(内径0.7 mm)でも急峻に曲げることのできる、従来にない無侵襲志向の内視鏡用高機能・高強度中空ファイバシステムの実現を目的とする。
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