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2014 年度 実績報告書

放射線による過渡的な局所昇温現象とそのソフトエラー耐性への影響

研究課題

研究課題/領域番号 24560435
研究機関独立行政法人宇宙航空研究開発機構

研究代表者

小林 大輔  独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (90415894)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード電子デバイス・機器 / 放射線 / ソフトエラー / 熱
研究実績の概要

本研究では,放射線が原因となって引き起こす「ソフトエラー」と呼ばれる電子デバイスの誤動作現象を取り扱った.この誤動作現象は電子デバイスがその信頼性を損う原因となっている.対策のためにその発生過程の正しい理解が必要である.現状,放射線がデバイスに侵入すると物質中に電子ならびに正孔が発生し,これがノイズとなってデバイスが誤動作すると理解されている.しかし,その際に伴うであろう物質の温度上昇については,その影響が議論されていない.本研究ではその影響を数値計算技術を用いて検討した.

平成24年度と平成25年度にかけて,放射線が貫通した直後に温度がどれだけ上昇しているのかを,粒子輸送シミュレータを用いて検討した.また,その温度上昇を境界条件とするようにTCAD半導体シミュレーションを解く方法を検討した.平成26年度は,それまでの成果を元にして,200 nm 完全空乏型SOI-CMOSプロセスで作成されたインバータ回路を例として,昇温効果の影響を調べた.その結果,現在無視されている昇温効果を取り入れることでノイズが大きくなることがわかった.ノイズが発生している時間に着目すると,温度上昇によって10%程度,より長くなっていることが見出された.時間が長くなることはソフトエラーがより起きやすくなる変化であり,昇温効果を取り入れないシミュレーションの結果は楽観的であることを指摘した.なお,昇温効果の導入によって明らかになった時間の伸びは,温度上昇に伴う移動度の低下でよく説明できた.また,用いた手法の適用可能性について,デバイスの寸法の観点から整理した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 放射線による局所昇温現象を考慮したソフトエラーシミュレーションの適用可能性2015

    • 著者名/発表者名
      小林大輔, 伊藤大智, 廣瀬和之
    • 学会等名
      第 62 回応用物理学会春季学術講演会
    • 発表場所
      東海 大学湘南キャンパス(神奈川県平塚市)
    • 年月日
      2015-03-11 – 2015-03-14
  • [学会発表] 放射線による局所昇温現象を考慮したソフトエラーシミュレーション2014

    • 著者名/発表者名
      小林大輔, 伊藤大智, 廣瀬和之
    • 学会等名
      第 75 回応用物理学会秋季学術講演会
    • 発表場所
      北海道大学札幌 キャンパス(北海道札幌市)
    • 年月日
      2014-09-17 – 2014-09-20

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公開日: 2016-06-03  

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