研究課題/領域番号 |
24560442
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
伊藤 泉 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (90583435)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
離散コサイン変換(DCT)符号相関について実画像での推定精度、圧縮画像との親和性、および実システムでの可用性を示し、その応用展開に向けての基盤を確立することを目的とする本研究の遂行にあたり、国内外の主要会議(EURASIP2012、信号処理シンポジウム、APSIPA2012、IWAIT2013)に出席、またコーネル大学およびコロンビア大学の画像に関する先駆的研究を行っている研究室を訪問し、国内外の研究者との意見交換および、超画像処理の最新動向の調査を行った。その結果、当初予定の撮影実験装置の産業用CCDカメラでは、解像度が不十分であり、今後の応用に対応できないと判断した。また、当初は産業用のみを視野に入れていたが、昨今の高解像度ディジタルカメラの普及を鑑み、再度実験器具の選定を行い、ディジタル一眼レフカメラを用いた撮像に変更した。現在、購入途中である。 一方、理論面において、離散コサイン変換(DCT)符号相関に関連して、信号の位置ずれを推定することができる、DCTを用いた線形相関計算法を考案した。これは、入力信号にゼロ値を挿入することで、DCTの対称性から生じる不要な信号を回避することができるものである。さらに、離散フーリエ変換を用いた線形相関計算が複素数演算を要求するのに対して、この計算法は実数演算で行うことが可能である。また、DCT符号相関の信号の循環性の影響に対する考察、および位置ずれ方向の判定に有効であると考えられる。電子情報通信学会に、このDCTを用いた線形相関計算法の論文を提出し、採択された(発行詳細未定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定の実験装置では、今後の応用展開に十分対応できないことがわかり、実験器具の再選定を行ったため。また、新たな位置ずれ推定法の考案とその論文作成を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
DCT符号相関、および新たに考案したDCTを用いた線形相関法を用いて、画像の位置ずれ量推定精度の実験を行い、画像の位置合わせ、ノイズ除去とボケ修正を全てDCT領域でおこなう超解像度処理を確立する。
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次年度の研究費の使用計画 |
撮影実験装置であるマイクロステージの購入、最新動向調査および発表のための旅費を予定している。
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