研究課題/領域番号 |
24560443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
宮田 高道 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (90431999)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 画像処理 / 凸最適化 / 画像ノイズ除去 / 画像リターゲッティング / 画像インペインティング / 画像伝送 / 画像符号化 |
研究概要 |
本年度は,本課題の最終目標である凸最適化に基づく画像伝送システムを実現するための要素技術である,凸最適化を用いた画像ノイズ除去,画像インペインティングの研究,画像リターゲッティングの研究を並行して行い,それらの全てにおいて一定の成果を得た. まず,画像ノイズ除去に関してはカラー画像がもつ色チャンネル間相関を効果的に利用可能な新たな凸正則化項をL∞ノルムを用いて定義し,さらに問題の解を効率的に求めるアルゴリズムを提案した.今回提案した手法は全変動正則化と呼ばれる分野に含まれるが,既存の全変動正則化と比較して,大幅な性能の向上が得られることが確認されており,その研究成果は国際会議にて発表済みである.また,さらなる改良を加えた手法については既に実験を終え,成果を来年度発表の国際会議に投稿済みである. 一つの画像情報を異なるサイズ,形状のディスプレイで閲覧する際の変換処理を行う画像リターゲッティングに関しては,画像中の重要領域を,ディスプレイの提示領域内へと移動させるという問題を凸最適化問題として定式化することに成功し,結果として良好なリターゲッティング画像を得ることが可能となった.これらの研究成果については国内学会で発表済みであり,さらに国際会議にも投稿している. さらに,伝送エラー等で欠損した画像内の領域を補間する画像インペインティングについては,画像が持つ先見情報として,画像内の小領域が低ランクの行列であるとみなせることに着目した,新たな凸正則化項を提案することにより,極めて良好な性能を実現できた.画像インペインティングに関する研究成果については,国内会議での発表においてベストポスター賞を受賞するなど高く評価されており,既に成果を論文誌に投稿済みである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」で述べたように,本年度は,本研究課題である凸最適化を用いた画像伝送システムを構成する要素である,画像ノイズ除去,画像リターゲッティング,画像インペインティングのそれぞれについて,凸最適化を効果的に利用した画像処理手法を提案することに成功している.申請時の平成24年度の研究計画が画像インペインティングのみに絞られていたことを考えると,本年度はその他の構成要素についても研究を行い一定以上の成果を得られていることから,予定より早く研究遂行できているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
2013年度の研究方策としては,これまで検討してきた各構成要素(画像ノイズ除去,画像インペインティング,画像リターゲッティング)に関する検討をさらに推し進め,最終目標である凸最適化による画像伝送システムの構築に必要な知識の習得と技術の確立に務める.また,研究計画より実際の研究が早く推移していることから,画像符号化・伝送に関する基礎的な検討をも行う予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究遂行のため,計算機,ならびにディスプレイを追加で購入する予定である.画像理ターゲッティングの研究をさらに推し進めるため,申請時の予算案通りタブレット端末の購入を検討している.これに加え,昨年度投稿した研究成果を発表するための旅費,国際会議参加費,論文別刷り代などを計上する予定である.
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