本年度は,凸最適化に基づく画像伝送システムを実現するため,凸最適化を用いた画像ノイズ除去,画像リターゲッティング,符号化画像の画質改善に取り組み,それらにおいて以下のような研究成果を得た. まず,画像ノイズ除去に関しては,CVPR2014で発表された無相関化色空間における全変動最小化の研究と,申請者が以前から取り組んできた色画像向け全変動最小化の知見を組み合わせた,色チャンネル間相関考慮型全変動最小化を検討し,IEEE ICIPに採録された.また,凸最適化を応用した画像リターゲッティング手法を開発し,その成果は映像情報メディア学会論文誌に掲載されている.さらに,4K/8Kなどの高精細符号化画像の色差情報の復元手法を提案し,その成果は国際会議IMQA2015および電子情報通信学会英文誌に採録されている. 以上より,凸最適化を用いた画像伝送システムに関して,その要素技術を開発するという目標は十分に達成されたものといえる.また,研究成果の件数に関しても申請時の予定数を上回っており,計画以上の進捗があったといえる.
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