本研究課題では,次世代光・無線統合ネットワークにおいて,障害や故障に強いロバスト性を考慮したネットワークとポロ時の設計法とトラヒックエンジニアリング技術を確立する.本課題では,初年度である平成24年度に確立したトポロジ設計法を用いることによって,大規模光ネットワークに対して,少ないコストで総伝送トラヒック量とロバスト性が共に向上するトポロジの設計が可能になった. さらに2年目となる平成25年度は,統合ネットワークのロバスト性を悪化させないようにデータの伝送量を制御するトラヒックエンジニアリング技術を確立した.光ネットワークに対しては,トラヒックの増加率をコストとした巡回セールス万問題として定式化し,迂回経路を含んだ経路の導出を試みて,近似解導出による経路決定アルゴリズムを検討した.また,無線ネットワークに対しては,限られた伝送距離で広範囲にデータを伝送するためのデータ伝送技術を確立した.平成26年度は光ネットワークにおけるトラヒックエンジニアリングの確立に取り組み,波長数などを考慮したジュンサイ的なトラヒックエンジニアリングを実現した.統合ネットワークに対するロバスト性を考慮したトポロジ設計法の確立に取り組んだ. 過去3年の研究成果を踏まえて,平成27年度は,統合ネットワークに対するロバスト性を考慮したトラヒックエンジニアリング技術の確立を行った.確立した技術では,無線ネットワークでのトラヒックエンジニアリングと光ネットワークでのトラヒックエンジニアリングを組み合わせることで,適切なトラヒック制御を実現した.
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