最終年度に実施した研究の成果 インコヒーレント光源である低圧水銀ランプを用いた長周期ファイバグレーティングの製作において、照射時間をさらに短縮するため、水素処理条件の改善を行った。水素ガス圧を120気圧から135気圧に増加することにより、照射時間を2/3に短縮できることを確かめた。 また近年、従来基本モードのみを利用していた光ファイバ通信の大容量化を図るため高次モードを利用して別の情報を乗せるモード分割多重光通信が注目されている。製作した長周期ファイバグレーティングのモード分割多重通信における応用を目的として、軸ずれ入射による高次モード入射を試みた。使用した光ファイバがフューモードとなる1200nm以下の波長域において、軸ずれ入射により高次モードを入射して長周期ファイバグレーティングの減衰特性を調べる実験を行った。これにより基本モード入射とは異なった減衰ピークが現れることを示した。現在、理論的検討を行っている。 また、ポーリングを施した光ファイバによる第二高調波発生において、疑似位相整合が伸張歪みを加えると最適化でき出力向上が得られることを、従来のエキシマレーザ照射だけでなく低圧水銀ランプ照射においても実証することができた。 また面発光レーザを用いてファイバブラッググレーティングセンサの波長読み出しが可能であるが、面発光レーザの温度制御により、より精度の高い読み取りができることを示した。長周期ファイバグレーティングセンサの読み出しに本技術を適用する計画である。
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