研究課題/領域番号 |
24560466
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤村 誠 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30229041)
|
研究分担者 |
今村 幸祐 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (00324096)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | マルチメディア / 電子透かし / 画像検索 |
研究概要 |
(1) 画像検索技術のブレークスルーの要素技術に関する検討:画像検索には一般に画像特徴量が使用される。画像透かしの適用による画像の変化に影響されにくい画像特徴量を洗い出し、それらの検索技術への適合性について比較検討を行った。その結果、画素値ヒストグラムをベースとする2段画像検索法を提案した。 (2) 画像検索アルゴリズムのブレークスルーの要素技術に関する検討:流通している第3者による違法コピー画像は、拡大・縮小、回転、トリミング、圧縮など各種の攻撃、さらにはこれらを組み合わせた攻撃が加えられていることが考えられる。これらの攻撃に対応可能な画像検索アルゴリズムについて要素技術を洗い出し、その比較検討を行った。いくつかの攻撃の組み合わせに分けて考え、各組み合わせに特化した画像検索アルゴリズムとして評価を行った。 (3) 電子透かし技術のブレークスルーの要素技術に関する検討:画像内の画素位置とユーザを1対1に対応させ、ユーザ管理まで考慮した新しい電子透かし方式に必要な要素技術を洗い出し、その比較検討を行った。 画像内の特定領域(例えば小ブロック)の位置情報に各ユーザを対応させる方法の有力候補として、削除しても視覚的に検知しにくい画素位置を得るために Seam Carving を用いた方法について基礎的な検討を行った。この方式は結託攻撃である平均化攻撃に対して有効であることを確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) 画像検索技術のブレークスルーの提案: 画像検索に用いる画像特徴量に関する要素技術の検討を行い、実用に即した画像検索法として2段画像検索法を提案した。また、提案した画像検索方式については、ソフトウエアによるプロトタイプ試作中であるが、実験システムによって検索対象画像の抽出率等の特性を測定し、静止画像検索技術として実用に供し得ることを確認した。 (2) 画像検索アルゴリズムのブレークスルーの提案: 要素技術検討結果を踏まえ、画像の拡大・縮小、回転、トリミング、圧縮画像などに対応できる画素値ヒストグラムをベースにした画像検索アルゴリズムを提案した。 (3) 電子透かし技術のブレークスルーの提案: Seam Carvingをベースとする透かしを埋め込む電子透かし方式を提案した。また、ソフトウエアによるプロトタイプを作成中である。
|
今後の研究の推進方策 |
(1) 画像検索技術のブレークスルーの提案: 平成24年度の画像検索に用いる画像特徴量に関する要素技術の検討結果を踏まえ、実用に即した画像検索法について精度の向上などを検討する。この画像検索方式については、ソフトウエアによるプロトタイプ試作を行い、十分な量のテスト画像を対象にして検索対象画像の抽出率等の特性を測定し、静止画像検索技術として実用に供し得ることを確認する。 (2) 画像検索アルゴリズムのブレークスルーの提案: 平成24年度の要素技術検討結果を踏まえ、画像の拡大・縮小、回転、トリミング、圧縮画像に対応できる画像検索アルゴリズムを検討する。またソフトウエアによるプロトタイプ試作を行う。 (3) 電子透かし技術のブレークスルーの提案: 平成24年度の要素技術検討結果を踏まえ、透かしを埋め込む画素位置によりユーザ管理について、より耐性の高い電子透かし方式を検討し、ソフトウエアによるプロトタイプ試作を行う。また、結託攻撃に対する耐性についても検討する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
(1) 画像検索技術および画像検索アルゴリズムのブレークスルーの提案: 主に主として学会での発表および論文投稿に予算を使用する予定である。また、主観評価実験など被験者への謝金としても使用する予定である。 (2) 電子透かし技術のブレークスルーの提案: 主として学会での発表および論文投稿に予算を使用する予定である。また、主観評価実験など被験者への謝金としても使用する予定である。
|