研究課題/領域番号 |
24560469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山下 勝己 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60158152)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 移動体通信 / 情報通信工学 / 先端的通信 |
研究概要 |
本研究の目的は,アナログ回路歪みである周波数選択性I/Q不均衡を,DSP技術により補正するものである. 先ず,周波数選択性I/Q不均衡を時間領域で補正するために,Qブランチに単一実数フィルタを有する数学モデルを提案し,提案した数学モデルの妥当性を,主要設備である高速計算機により明らかにした.次に,提案モデルにおいて,フィルタの補正係数の推定に対しては,受信側で既知信号であるパイロット信号を利用した手法の有効性を検証した.最後に,特定の通信規格に依存しない,すなわち,パイロット信号を必要としないブラインド推定アルゴリズムも提案した.なお,提案手法の有効性については,推定最小2乗誤差を理論分析することにより明らかにすると共に,Cramer-Rao boundと比較した.更に,補正後のイメージリジェクション率についても分析した.その際,MATLAB数値シミュレーションでは,統計量を得るために必要な信号サンブル数,係数推定に必要な計算量,イメージリジェクション率において,既存のブラインド補正手法である単一複素数フィルタおよび複数複素数フィルタとの比較検討も実施した.なお,その内容について国内及び国際学会で発表すると共に,関連学会誌にも投稿した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
受信側で既知信号であるパイロット信号を利用した周波数選択性I/Q不均衡補正に関する研究に関しては,カナダのオタワで開催されたIEEE International Conference on Communications 2011に採択され,題目「Repeated Preamble Based Carrier Frequency Offset Estimation in the presence of I/Q Imbalance」を発表した.また,パイロット信号を必要としない周波数選択性I/Q不均衡補正に対するブラインド推定アルゴリズムに関する研究に関しては,IEEE Trans. Wireless Communicationsに題目「Time domain blind I/Q imbalance compensation based on real-valued filter」で掲載された.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度においては,2名の大学院学生を実験補助として活用することにより,FPGA 評価ボード装置の基本的動作等の確認を行う.なお,動作確認実験には,I/Q不均衡補正の回路化を実施するものであるが,実現可能性の高いシステムを構築するには,数値実験により得られたモデルを,より回路化に適したモデルに改良する必要がある.ここでは,数値実験を通して,回路規模縮小化を主目的としたシステム設計を行う.なお,これらの実験の遂行には,2名の大学院学生を実験補助として活用する. 平成26年度においては,FPGAを想定して回路設計を行い,試作システムを製作すると共に,試作システムの動作を検証する.先ず,FPGAは真理値表に対応するLUT(Look Up Table)と呼ばれる素子が,マトリックス状に配列した構造となっているので,同構造に適した演算回路を設計する必要がある.従って,上記の観点に立った,I/Q不均衡補正の回路設計を行う.最後に,実際にFPGAを用いて回路を試作すると共に,同システムに対する回路規模及び動作速度等を検証する.なお,これらの実験の遂行に関しては,2名の大学院学生を実験補助として活用する.
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次年度の研究費の使用計画 |
「該当なし」
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