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本年度は，本研究助成を得てこれまで開発を進めてきた「ＬＤＰＣ符号の高速符号化アルゴリズム」について，その更なるブラッシュアップを中心に研究を行った。
本研究課題では，任意に与えられた線形符号の検査行列に対し，行および列の置換を施してブロック三角行列に変換したのち，さらに冗長ビットの計算スケジュールに工夫を凝らすことによって，線形符号の符号化の計算量を低減する手法について検討を重ねてきた。その結果，線形符号，特にＬＤＰＣ符号に対する高速符号化アルゴリズムを完成させている。
しかしながら，開発した符号化アルゴリズムをある種の線形符号に対して適用したとき，アルゴリズムの実行途中で予期していない形のブロック行列が現れる可能性があることが指摘された。そこで本年度は，そのような場合に対応できるよう，開発したアルゴリズムの改編について検討を行った。
具体的な解決策を与えるには至らなかったが，このアルゴリズムが適用可能な線形符号のクラスについて検討し，その明確化とアルゴリズムの改編に関するヒントを得ることができた。また，本研究に触発され，線形符号の高速符号化アルゴリズムに関する様々な後続研究が報告されていることも特筆すべきことと考えられる
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