ディジタル通信において、通信信号の波形を忠実に伝送するため、ディジタル通信路(伝送路)の位相特性が周波数の線形関数でなければならない。このような位相特性は線形位相特性と呼ばれる。もし通信路の位相特性が非線形であれば、伝送信号の波形歪みが生じてしまい、波形の忠実な伝送が不可能となる。本研究では、通信路の非線形位相特性を補償するため、様々な最適化手法を駆使して位相補償回路(位相フィルタ)の最適設計を行った。設計した位相補償回路を通信路に接続し、通信路全体の位相特性をほぼ線形位相にすることにより、通信路全体の位相特性がほぼ線形になり、波形の伝送歪みが最大限に抑えられ、忠実な波形伝送が可能となる。
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