ディジタル通信における雑音を積極的に利用して通信の安全性を実現する物理層セキュリティを検討した.特に秘密鍵共有プロトコルを対象として,雑音通信路の出力を基に通信を行う二者が共通のビット列を生成する手順に関する性能解析を行った.この状況は,復号器に補助情報が与えられた順序つき確率変数列に対する情報源符号化として定式化でき,確率変数列の統計的性質を踏まえた誤り確率の理論的解析を行った.得られた結果により,誤り率特性を精度良く予測することが可能となった.また,この手順に関わる線形符号の構成,および量子化の手法についても検討を行った.
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