最終年度は,これまで行ってきた通信路容量の問題,そしてその双対問題であるレート歪関数の問題に関し,外部への発表を中心に行った.それぞれ問題に関する平成26年度の実績を以下に報告する.
通信路容量の問題に関しては池田が4つの口頭発表を行った.まず 4月に中国の上海での会議 2nd International Workshop on Information Geometry and Affine Differential Geometry で招待講演を行い,10月には国際会議 International Symposium on Information Theory and Its Applications 2014 (ISITA2014) において口頭発表を行った.12月には国内の第37回情報理論とその応用シンポジウム内のワークショップで一般向けのチュートリアルの形で講演を行い,国内のワークショップ「機械学習における情報幾何学的視点」を数学協働プログラム,理化学研究所脳総合研究センター,統計数理研究所統計的機械学習センターの共催で開催し,その中で発表を行った.共同研究者の林は3つの口頭発表を行った.9月には電子情報通信学会CQ研究会の招待講演を行い,11月には信号処理シンポジウム,12月にはAPSIPAで発表を行った.
レート歪関数に関する研究に関しては論文が一遍が Machine Learning 誌に掲載された.この論文では,ベイズ統計における事前分布の学習法の問題とレート歪関数の問題の関係を示し,特にダイバージェンスを広く用いられているKLダイバージェンスから変化させたときの影響を論じた.また,それとは別にガンマ分布にしたがう情報源を入力分布とする場合のレート歪関数に関する論文を情報理論の英文論文誌に提出した.この論文に関しては査読中である.
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