研究課題/領域番号 |
24560492
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工 |
研究代表者 |
後藤 啓次 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 電気情報学群, 准教授 (20531982)
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キーワード | アンテナ / 散乱電磁界 / 遷移領域 / 高周波近似解析 / 一様漸近解 / コーティングされた導体円柱 / 誘電体境界面 |
研究概要 |
本研究では、研究課題『散乱電磁界に対する高周波近似解析法とその物理的解釈法に関する研究』を、2つの研究細目(1)コーティングされた導体円柱による散乱電磁界の新たな高周波近似解析法、及び(2)誘電体境界面における透過・散乱界の新たな高周波近似解析法、に分けて研究を進めた。新たに提案を行う一様近似解および近似解は、(ア)厳密界あるいは基準解と良く一致すること、(イ)散乱現象あるいは透過・散乱現象を物理的に理解する上において有効であること、を明らかにすることを目的として研究を行った。 当該年度計画では、研究細目(1)及び(2)に対する周波数領域における近似解及び一様近似解について研究を行った。その結果、(1)及び(2)のいずれの研究細目においても、(c)導出した近似解および一様近似解の有効性及び適用範囲、及び(d)散乱電磁界の物理的解釈法について明らかにした。また、次年度計画である(e)周波数領域における結果を拡張することにより、時間領域における散乱過渡応答を表す近似解の導出を行いその有効性及び過渡応答波形の物理的解釈法について検討を行う、の一部について実施した。 研究成果は、①EMTS 国際シンポジウムで3件(広島)、②IEEE AP-S 国際シンポジウムで2件(Florida, USA)、③AP-RASC 国際シンポジウムで2件(Taipei, Taiwan)、④電気学会電磁界理論シンポジウムで1件(三沢)、及び⑤電子情報通信学会総合大会で1件(新潟)の発表を行い、研究の有効性について確認を行った。また、新規性・独創性の高い研究内容について、⑥電子情報通信学会のElectronics Express に1件(2014年3月)の論文発表を行った。 本研究成果は、(ア)および(イ)において述べた「研究目的」の達成に直接関係する重要な研究成果であると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では、研究課題『散乱電磁界に対する高周波近似解析法とその物理的解釈法に関する研究』を、2つの研究細目(1)コーティングされた導体円柱による散乱電磁界の新たな高周波近似解析法、及び(2)誘電体境界面における透過・散乱界の新たな高周波近似解析法、に分けて研究を進めた。新たに提案を行う一様近似解および近似解は、(ア)厳密界あるいは基準解と良く一致すること、(イ)散乱現象あるいは透過・散乱現象を物理的に理解する上において有効であること、を明らかにすることを研究目的としている。 各研究細目の研究目標を達成するため、下記の(a)~(e)の5段階に分けて研究を遂行するよう計画している。 (a)周波数領域における厳密解の導出と数値解析プログラムの作成、(b)反射・散乱界あるいは透過・散乱界に対する周波数領域における新たな一様近似解および近似解の導出、(c)(a)で求めた厳密解または基準解と比較することにより、上記の幾何光学的な近似解及び一様漸近解の有効性及び適用範囲の検討、(d)散乱電磁界の物理的解釈法についての検討、(e)周波数領域における結果を拡張することにより、時間領域における散乱過渡応答を表す近似解の導出を行い、その有効性及び過渡応答波形の物理的解釈法についての検討。 平成24年度(初年度)では(a)および(b)を達成し、(c)の一部について実施した。平成25年度(2年目)では(c)および(d)を達成し、(e)の一部について実施した。 現在までの「研究の目的」の達成度は、80%程度であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、研究課題『散乱電磁界に対する高周波近似解析法とその物理的解釈法に関する研究』を、2つの研究細目(1)コーティングされた導体円柱による散乱電磁界の新たな高周波近似解析法、及び(2)誘電体境界面における透過・散乱界の新たな高周波近似解析法、に分けて研究を進めた。新たに提案を行う一様近似解および近似解は、(ア)厳密界あるいは基準解と良く一致すること、(イ)散乱現象あるいは透過・散乱現象を物理的に理解する上において有効であること、を明らかにすることを研究目的としている。 各研究細目の研究目標を達成するため、下記の(a)~(e)の5段階に分けて研究を遂行するよう計画し、平成24年度(初年度)では(a)および(b)を達成し、また、(c)の一部について実施した。 (a)周波数領域における厳密解の導出と数値解析プログラムの作成、(b)反射・散乱界あるいは透過・散乱界に対する周波数領域における新たな一様近似解および近似解の導出、(c)(a)で求めた厳密解または基準解と比較することにより、上記の幾何光学的な近似解及び一様漸近解の有効性及び適用範囲の検討、(d)散乱電磁界の物理的解釈法についての検討、(e)周波数領域における結果を拡張することにより、時間領域における散乱過渡応答を表す近似解の導出を行い、その有効性及び過渡応答波形の物理的解釈法についての検討。 平成26年度(最終年度)においては、(e)について研究を推進する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
電子情報通信学会のElectronics Express に1件(2014年3月)の論文発表を行ったが、論文掲載費用(100,000円)を本校当講座内の研究費(雑役務費)にて処置したため。 研究の妥当性、新規性、あるいは方向性を確認するために、①2014 IEEE AP-S 国際シンポジウムで3件(Tennessee, USA)、②電気学会電磁界理論シンポジウムで1件(室蘭)、及び③電子情報通信学会ソサイエティ大会で1件(徳島)の学会発表を計画しており、他の学者・研究者からの批評あるいは評価を頂く予定である。
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