本研究では、研究課題『散乱電磁界に対する高周波近似解析法とその物理的解釈法に関する研究』を、2つの研究細目(1)コーティングされた導体円柱による散乱電磁界の新たな高周波近似解析法、及び(2)誘電体境界面における透過・散乱界の新たな高周波近似解析法、に分けて研究を進めた。新たに提案を行う一様近似解および近似解は、(ア)厳密解あるいは基準解と良く一致すること、(イ)散乱現象あるいは透過・散乱現象を物理的に理解する上において有効であること、を明らかにすることを研究目的とした。 各研究細目の研究目標を達成するため、下記の(a)~(e)の5段階に分けて研究を遂行するよう計画した。(a)周波数領域における厳密解の導出と数値解析プログラムの作成、(b)反射・散乱界あるいは透過・散乱界に対する周波数領域における新たな一様近似解および近似解の導出、(c)(a)で求めた厳密解または基準解と比較することにより、上記の幾何光学的な近似解及び一様近似解の有効性及び適用範囲の検討、(d)散乱電磁界の物理的解釈法についての検討、(e)周波数領域における結果を拡張することにより、時間領域における散乱過渡応答を表す近似解の導出を行い、その有効性及び過渡応答波形の物理的解釈法についての検討。 最終年度(平成26年度)では、上記の最終段階の(e)について実施した。 研究細目(1)コーティングされた導体円柱による散乱電磁界の新たな高周波近似解析法では、周波数領域および時間領域において異なる新たな高周波近似解析法を用いて近似解を導出し、コーティングされた導体円柱による散乱現象を詳細に解明した。 研究細目(2)誘電体境界面における透過・散乱界の新たな高周波近似解析法では、周波数領域および時間領域において異なる高周波近似解析法を用いて近似解を導出し、誘電体境界面による透過・散乱現象を詳細に解明した。
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