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2014 年度 実績報告書

近赤外分光を用いたヒト脳診断理論の高性能化と実証

研究課題

研究課題/領域番号 24560493
研究機関北見工業大学

研究代表者

谷藤 忠敏  北見工業大学, 工学部, 教授 (50311527)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードFDTD法 / 近赤外分光法 / 時間相関単一フォトンカウンティング / 脳機能計測 / 時間領域拡散光トモグラフィ / 光拡散方程式
研究実績の概要

今年度は、ヒト頭部後方散乱光パルス波形の理論値と実測値の比較からヒト脳光学パラメータを推定する時間領域拡散光トモグラフィ(Time Resolved Diffuse Optical Tomography: TRDOT)について、以下1~3に示す基本的な性能を検証した。光パルス波形理論値は、昨年度までに構築した脳溝と頭表の屈曲を考慮した現実的なヒト頭部モデルのFDTD解析を用いて計算した。また、実測値は、頭表屈曲形状と平均遅延時間の関係が明確に確認された一人のボランティアのものを用いた。
1.TRDOTによるヒト脳診断可能性・・光パルス波形理論値と実測値の自乗残差最小値を与えるヒト頭部の光学パラメータを共役勾配法により用いて推定した。その結果、光吸収係数は、頭皮及び頭蓋骨から成る頭表組織と灰白質及び白質から成る脳組織を分離して同定可能なことを明らかにした。また、白質を除く各組織の等価光散乱係数も同時に同定出来ることを明確にした。平均遅延時間や2次モーメントの等の統計量でなく光パルス波形そのものから散乱体と非散乱体が混在して形状が複雑なヒト頭部の光学パラメータを推定した例は他に類を見ない。
2.TRDOTにおける光パルス実測値の遅延時間補正誤差許容値・・光パルス実測値の測定系による遅延補正は必須であり、前項の例につきこれを見積もった。その結果、光学パラメータ推定値に±10%の誤差を許容すると、遅延補正誤差許容値は20 (ps)であり、計測器の現状性能を考慮すると容易に実現可能なことが判明した。
3.光パルス波形サンプリング間隔(delta_t)と光学パラメータ推定誤差・・delta_tを約20psから80psまで変えても光学パラメータ推定値の劣化は無視出来ることが分かった。delta_tを粗くしても遅延補正は前項の条件を満足出来ることから、この結果は実際のTRDOT装置構成の簡易化の可能性を示す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件)

  • [雑誌論文] In Vivo Time-Resolved Multidistance Near Infra-Red Spectroscopy of Adult Heads: Time Shift Tolerance of Measured Reflectance to Suppress the Coupling between Absorption and Reduced Scattering Coefficients2015

    • 著者名/発表者名
      T. Tanifuji, D. Sakai
    • 雑誌名

      Proc. of SPIE

      巻: 9319 ページ: 93191H-1-10

    • DOI

      10.1117/12.2077030

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Noninvasive Determination of Absorption and Reduced Scattering Coefficients of Adult Heads by Time-Resolved Reflectance Measurements for Functional Near Infra-Red Spectroscopy2014

    • 著者名/発表者名
      T. Tanifuji, L.Wang,
    • 雑誌名

      Proc. 36th Annu. Int. Conf. of the IEEE EMBS

      巻: 36 ページ: 2849-2852

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-06-01  

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