前年度に引き続き,知能・技能ハイブリッド型問題解決のための創発的方法論の体系化を図るとともに,問題解決モデルとして,レーシングカート操縦および目標速度追従運転における人間モデル(ドライビング・エージェント)を構成した.また,この人間モデルをベースに,知能・技能ハイブリッド型問題解決のプロトタイプを実現し,シミュレーションおよび実機実験を通して,方法論・計算モデルの評価を行った. シミュレーションおよび実機実験の結果より,構成した人間モデルによって,知能・技能ハイブリッド型の問題解決(人間らしい操縦過程)が表現されていること,ならびに,モデルのパラメータを調整することによって,初心者から熟練者まで,様々な熟練度合いの操縦・運転が再現されることが確認された.これは,本研究課題で開発した問題解決モデル(人間モデル)の一定レベルの有用性・可能性を示すものである.
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