研究課題/領域番号 |
24560507
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
竹内 伸直 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 客員研究者 (80005420)
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研究分担者 |
磯上 慎二 福島工業高等専門学校, 一般教科, 准教授 (10586853)
大久保 寛 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (90336446)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 地震断層運動磁気変化 / 高温超電導SQUID磁力計 / 地磁気連続観測 |
研究実績の概要 |
平成24年度および25年度に引き続き、福島県いわき地磁気観測点において高温超電導SQUID磁力計およびオーバーハウザー磁力計による地磁気観測を平成26年度も欠測することなく継続して行った。観測を中断することなく行うため、各観測機器と観測システムの保守点検および液体窒素の補給を1-2ヶ月おきに行った。 残念ながら、今年度は平成25年9月20日に発生したようなマグニチュードM6クラスの内陸型の大きな地震が観測点の10km以内で発生しなかったため、地震断層運動に伴う明確な磁気変化は観測できなかった。M4クラスの地震は時々発生しており、わずかな磁気変化があるように見える場合もあったが、明確な磁気の変化とは断定できなかった。しかし、このことは逆に言えば観測点と震源距離までの距離が近いにもかかわらず、Mの小さな地震では磁気変化が検出されないということを示しており、観測の精度が高いことを示している。 観測点からかなり離れた福島県沖では時々海溝型の地震が発生しているが、観測点と震源の距離が数10kmと離れているにもかかわらず、Mが5-6の地震の場合、磁気変化がわずかに認められる場合がある。この変化が実際発生しているとした場合、震源までの距離が遠く、震源の深さも50km前後と深いため、この場合の磁気変化発生のメカニズムは内陸型とは異なる可能性が考えられる。このような海溝型地震での磁気変化の観測例がもし多数得られた場合、磁気変化の発生機構など今後の研究課題として非常に興味深いことが指摘できる。 本研究のような対象となる地震の発生時刻、大きさおよび場所が予測できないような観測を行うためには、地震の出来るだけ多く発生する場所を慎重に選び、非常に注意深くかつ粘りづよく観測を継続する意欲と行動力が極めて重要となる。
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