研究課題/領域番号 |
24560513
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
西舘 泉 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70375319)
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キーワード | 容積脈波 / イメージング / 酸素飽和度 / 脈拍数 / RGBカメラ |
研究概要 |
提案システムにより得られた、酸素化血液濃度と脱酸素化血液濃度の脈波到達前後の値から、動脈血酸素飽和度の推定する方法について検討を行った。さらに、ヒト用パルスオキシメーターで測定した動脈血酸素飽和度と、提案システムにより得られた、酸素化血液濃度と脱酸素化血液濃度の脈波到達時間ポイントでの値との比較により、較正曲線の算出法について検討を行った。メラノイジン色素、ウマ血液および散乱体を用いた血液潅流型人工皮膚モデルを開発した。血中酸素飽和度の調整は標準酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素ガスの混合により行い、酸素濃度計と酸素解離曲線に基づき較正を行った。現状のモデルでは、潅流血液の酸素化に比べ、脱酸素化に時間がかかることが分かった。また、脱酸素化を効率的に行うためには、窒素ガスによるバブリングの強度を高める必要があるが、その際、多量の気泡が発生し、長時間の潅流が困難になることも分かった。この問題については、消泡剤を使用するなどの対策を行い、引き続き検討を続ける予定である。 除毛後の麻酔下ラット背部、後肢および頭部皮膚を対象に酸素化血液濃度、脱酸素化血液濃度とそれらの脈波成分の2次元計測実験を行った。動脈血酸素飽和度、脈拍数、血圧は、標準酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素ガスの混合により吸入酸素濃度FiO2%を0~95%の範囲内で変化させることでコントロールを行った。ラットの場合、1分あたりの脈拍数が400以上であり、ヒト脈波イメージングで使用するカメラのフレームレート30fpsでは追従できないことが明らかになった。そのため、最大フレームレートが120fpsのカメラを使用することで対応した。小動物用パルスオキシメーターで同時計測した結果と比較することで、提案法により得られる循環系の指標の妥当性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の研究計画に従い、ヒト用パルスオキシメーターとの比較、人工皮膚モデルの作成、動物実験による比較実験までを達成している。
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今後の研究の推進方策 |
(平成26年度)ヒト皮膚を対象に動脈血酸素飽和度・脈拍の2次元計測および血圧値の計測実験を行う。測定部位は顔、胸部、前腕、手背の4カ所とし、平常時及び運動負荷により心拍数と血圧を上昇させた際の計測を行う。運動負荷は自転車エルゴメーター(エアロバイク)により50~200Wの範囲で設定する。同時に、市販のパルスオキシメーターと血圧計により動脈血酸素飽和度・脈拍数・血圧を計測し、本方法との比較を行なうことで平常時及び運動時のヒトに対する本システムの有用性を評価する。
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