本研究は,音響信号の空間分離収録技術に関して,ソフトコンピューティングの技法を駆使することにより格段の性能向上を図ることを目的とした. まず,ニューラルネットワークを組み込んだマイクロホンアレイシステムについて,システムのパラメータおよびニューラルネットワークの学習パラメータを遺伝的アルゴリズムを用いて決定することで最適化を達成した.次に,複数周波数について指向性を獲得させるようシステムを拡張し,種々の周波数の正弦波に対して超指向性を達成した.さらに,入力信号である広帯域音を高速フーリエ変換を利用して正弦波に分解し,それらを並列処理した後で重ね合わせることにより広帯域化を実現した.
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