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2013 年度 実施状況報告書

波長多重ホログラフィック内視鏡による細管内形状・分光計測システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24560521
研究機関島根大学

研究代表者

横田 正幸  島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (80323335)

キーワード直管内計測システム開発 / カラーディジタルホログラフィ / GPGPU
研究概要

H25年度は直管内の測定を中心に行った。実験では新たにDPSS光源を追加し,三原色の波長を光源として用いることにより,フルカラーディジタルホログラフィによる管内表面の可視化を実現した。また,リアルタイム計測にとっては測定データを高速に処理することが望まれる.そこで,管内での円錐鏡の位置ずれを実験結果から推定できるアルゴリズムを新たに開発した.その結果,従来法よりも数百倍程度位置ずれ処理を高速化することに成功した.
また,同時にプラスチックイメージガイドを用いたホログラム伝送化も検討し,管内計測への適用性も検討した.その結果,USAFターゲットを用いて伝送されたホログラムの再生像を評価したところ,位相シフト法を用いた同軸配置においては,再生像が10lp/mm程度の分解能を持つことが分かった.これはシミュレーションによる計算ともよく一致した.しかし,軸外し配置を用いた場合では,イメージガイド内を伝搬する参照光と物体光との間に伝搬モードの違いにより生じる位相差が新たに重畳されるために,ホログラム記録が著しく劣化し,良好な再生像を得ることができないことが分かった.
さらには,測定結果を高速に表示するために,GPGPUを持ちた並列計算処理を導入する検討も行った.現在では,位相接続処理をGPGPUにより高速化するまでのソフト開発が行われている段階である.
上述した3つの点において大きな進展が得られている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概要で示したように,フルカラー化による分光計測の実現と,二波長法による形状計測が実現できており,また,従来の円錐鏡位置ずれによる補正計算を,新たなアルゴリズムの開発により数百倍に高速化している.また,同時にイメージガイドを用いたホログラム伝送においても,その再生像の実験的評価,および数値計算による評価を行い,イメージガイドによるホログラム伝送の可能性の検討も進んでいる.さらには,GPGPUを用いたへ入れいつ計算処理も導入準備が進んでおり,当初計画に近い状況で研究が進んでいることが分かる.

今後の研究の推進方策

上記のように光源のフルカラー化をさらに進めて,データ取得の高速化を検討する.また,円錐鏡を直管内で操作する際に,自動ステージを用いた測定自動化も検討する.ヘッド化は予算的な面や技術的な面で実現化が難しいが,それ以外の要素研究であるイメージガイドによるホログラム伝送の評価,およびGPGPUによる高速計算処理の導入を進めていくつもりである.ヘッド化までは実現できなくても,直管内の操作計測が実現できるように研究を進めていく方針である.

次年度の研究費の使用計画

研究の進捗的には予定通りであるが,使用機器は当初予定よりも安くなった部分もあり,そのため差額が生じている.また,他の経費により購入した物品なども使用できるため,当初予定よりも少ない金額となっている.
なるべく予算を節約するために,購入物品を安く抑えている.その分の差額により研究で必要になったものを新たに購入する予定である.特に実験研究の場合は,当初想定しないような結果が出ることなどがあるため,なるべく研究を進めてから,本当に必要になった物品を購入する.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] 位相シフトディジタルホログラフィーにおけるプラスチック光ファイバー(POF)イメージガイドを用いたホログラム伝送の検討2013

    • 著者名/発表者名
      横田正幸,河尻直幸
    • 雑誌名

      光学

      巻: 42 ページ: 144-152

    • 査読あり
  • [学会発表] Study of hologram transmission by a high core-number plastic optical fiber (POF) image guide in phase-shifting digital holography2013

    • 著者名/発表者名
      K. Nomura and M. Yokota
    • 学会等名
      2013 IEEE/SICE International Symposium on System Integration (SII2013)
    • 発表場所
      Japan, Kobe
    • 年月日
      20131219-20131221
  • [学会発表] ディジタルホログラフィによる実時間管内計測のための円錐鏡位置ずれによる表面形状誤差の自動補正法の検討2013

    • 著者名/発表者名
      小山徹平,横田正幸
    • 学会等名
      第15回IEEE広島支部学生シンポジウム(HISS)
    • 発表場所
      鳥取大学,鳥取県
    • 年月日
      20131116-20131116
  • [学会発表] 高画素のプラスチックファイバーイメージガイドによるホログラム伝送とシミュレーションを用いた再生像の評価2013

    • 著者名/発表者名
      野村佳祐,横田正幸
    • 学会等名
      第15回IEEE広島支部学生シンポジウム(HISS)
    • 発表場所
      鳥取大学,鳥取県
    • 年月日
      20131116-20131116
  • [学会発表] レーザーダイオードを用いた多波長ディジタルホログラフィによる細管内検査2013

    • 著者名/発表者名
      小山徹平,横田正幸
    • 学会等名
      第22回日本光学会学術講演会(OPJ2013)
    • 発表場所
      奈良県
    • 年月日
      20131112-20131112
  • [学会発表] 高画素タイプのPOFイメージガイドによるホログラム伝送と再生像の評価2013

    • 著者名/発表者名
      野村佳祐,横田正幸
    • 学会等名
      第74回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      同志社大学,京都府
    • 年月日
      20130917-20130917
  • [学会発表] 多波長ディジタルホログラフィーによる直管内計測2013

    • 著者名/発表者名
      横田正幸,小山徹平
    • 学会等名
      第74回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      同志社大学,京都府
    • 年月日
      20130917-20130917
  • [学会発表] Development of a measurement system for pipe inner surface using multi-wavelength digital holography2013

    • 著者名/発表者名
      T. Koyama, T. Kawakami and M. Yokota
    • 学会等名
      echnical digest of 10th Japan-Finland Joint Symposium on Optics in Engineering (OIE’13)
    • 発表場所
      Japan, Tochigi
    • 年月日
      20130902-20130905
  • [学会発表] GPGPUを用いた逐次記録位相シフトディジタルホログラムの再生計算高速化の検討2013

    • 著者名/発表者名
      吉儀拓哉,横田正幸
    • 学会等名
      2013年度応用物理物理系学会中国四国支部合同学術講演会
    • 発表場所
      香川大学
    • 年月日
      20130727-20130727
  • [学会発表] Digital holographic inspection for the straight pipe inner surface using multiwavelength from laser diodes2013

    • 著者名/発表者名
      M. Yokota, T. Koyama, and T. Kawakami
    • 学会等名
      2013 Optical Metrology
    • 発表場所
      Germany, Munich
    • 年月日
      20130513-20130516

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公開日: 2015-05-28  

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