研究課題
強度変調放射線治療 (IMRT) 計画の問題は,照射ビーム係数に関する評価関数の最小化問題に帰着される.本研究代表者は,ビーム係数の制約としての正値性と極小解への収束が理論的に保証され,アナログ電子回路によるハードウェア実装が可能となる独自のアイデアに基づく IMRT 計画法を考案した.従来の IMRT 勾配系では必要な評価関数のヘシアンとその逆行列が不要であることも大きな特長である.提案法 (連続法と呼ぶ) は,非線形常微分方程式の解を用いて極小値を求める新しい方法であり,理論・数値解析,および実用化に向けた研究を行うことが本研究の目的である.平成26年度は,実用化に向け,IMRT 計画の臨床設定に基づく数値実験を行い,評価関数の収束性,線量分布図,線量体積ヒストグラムを用いて性能を評価した.研究計画で想定した通り,提案法の有効性が検証できた.また,線量体積制約を満たす状況を表す acceptable (許容) の概念を新しく導入し,acceptable な解への収束が理論的に保証された非線形微分方程式系を考案した.この成果は当初の研究計画では予想しておらず,臨床の治療計画ガイドラインに即した最適化法の新しい開発アイデアを想起することができた.成果をまとめた学術論文を国際ジャーナおよび国際会議で発表した.
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SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration
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http://www.tokushima-u.ac.jp/med/culture/iyo_gazokiki/index.html