研究課題/領域番号 |
24560527
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
真鍋 武嗣 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50358991)
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研究分担者 |
西堀 俊幸 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 主任開発員 (80280361)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 地中探査レーダ / 超広帯域アンテナ / Vivaldiアンテナ / 粒子群最適化手法 / パルス圧縮 |
研究概要 |
1. 固体天体探査地中レーダ用超広帯域アンテナの仕様検討 月・小惑星等の固体天体の地表面から数十mまでの浅層内部構造を十数cm以内の高分解能で探査するパルス圧縮方式の地中レーダ(GPR)において,距離分解能を高めるためには送信信号に必要な周波数帯域幅を確保する必要があり,必要な探査深度を得るためには送信信号の上限周波数を出来る限り低くする必要がある.このような観点から,現実的に想定される探査環境を想定したシミュレーションによりアンテナに要求される放射パタン(利得,半値幅)および反射損失(return loss)について検討を行った.また別途試作したGPRの試作機(BBM)を用いて,Wienerフィルタを用いたパルス圧縮波形の歪除去について理論的および実験的検討を行った.その結果,GPR 受信機に適切なWienerフィルタを付加することにより,GPR 送受信機系内部で発生するパルス圧縮波形の不要なひずみを低減除去できる可能性があることを確認した. 2. アンテナの最適化設計 小型軽量で超広帯域が実現できるGPR用アンテナとしてVivaldiアンテナを想定し,アンテナの電磁界解析手法であるFDTD法と最適化手法である粒子群最適化手法(PSO)とを組み合わせて設計パラメータの最適化するためのプログラムを作成し,設計を行った結果GPRで想定している300 MHz~900MHzの全帯域で反射係数(S11)が-10dB以下となるアンテナを設計することができた.さらにこの設計に基づき,試作したアンテナの特性を電波暗室において測定した結果,ほぼ設計通りの特性が得られていることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. 固体天体探査用地中レーダ用Vivaldiアンテナに要求される放射パタン,反射損失などの仕様について検討を行った. 2.Vivaldiアンテナについて,PSO 法によりパラメータの最適化を行い,300 MHz~900 MHzの帯域で,反射係数(S11)が-10 dB以下となるアンテナを設計し,その性能を試作実測により確認した.
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今後の研究の推進方策 |
H24年度はFDTD法とPSO法の組み合わせによりVivaldiアンテナの最適設計を試みたが,FDTD 法は詳細な計算には計算時間が大きな負担となるため,モーメント法とPSO法の組み合わせによる最適化法について検討を行う.またH24年度は高誘電率の基板を用いた設計を行ったが宇宙機搭載のためには,軽量化を図る必要があり,低誘電率基板を用いたアンテナの軽量化についての検討をおこなう.また別途開発した固体天体探査地中レーダBBMと試作したアンテナを組み合わせた地中レーダ模擬実験について検討を進める.
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし.
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