本研究では,信号処理や機械学習において近年特に重要な課題であるスパース性の概念をネットワーク化制御に応用し,ノイズが存在するもとでの高効率な圧縮を可能とする信号表現法を提案した.また,スパース性の概念を連続時間制御系に拡張し,スパース最適制御と呼ぶ新しい最適制御理論を構築した.スパース最適制御とは,与えられた制約条件のもとで連続時間制御信号の台の長さを最小化するような制御方式で,そのままでは問題は凸でなく最適解を求めることは極めて難しい.これに対して,スパース最適制御の凸緩和であるL1最適制御の解がスパース最適制御となるための非常に簡単な条件を導出した.
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