世界風力エネルギー協会は,風力発電の設備容量は2014年6月に336GWまで急速に拡大し,世界の電気需要の4%が風力発電であり,なお急激に増加していることを発表した。世界の風力発電の大規模化は,太陽光発電を大きく凌駕し,8倍以上の開きがある。特に,米国では,エネルギーの新たな未来を築くように洋上風力イニシアティブ(率先)を国家戦略計画として発表した。クリーンで再生可能な洋上風力エネルギーの導入は,2035 年までに米国で使用する電力の80%をクリーンエネルギー源で賄うという目標を達成する可能である。現状では,洋上風力発電機は殆ど誘導型であり,誘導型洋上風力発電機は一番大きな出力が数MW に達しても,発電効率の低さが指摘されている。その代わりに,永久磁石型風力発電機は前者より効率のよいが,出力が大きくなく数百キロワット(KW)しかないので,洋上風力発電を向けていない。 本研究の目的は,荒波の海で原発1 基に相当するリラクタンス型洋上風力発電機の適応ロバストベクトル制御系を構築し,本提案の制御系を用いてリラクタンス型洋上風力発電機の高効率発電のストレステストを実行することである。 平成26年度では,下記の研究が実行された。 1.風速の激しい変化に依存するリラクタンス型洋上風力発電機の特性を実験的に計測し,測定データにより厳酷な環境に耐えるリラクタンス型洋上風力発電機の数理モデルを解析に検証した。2.得られた数理モデルに対して適応ロバストベクトル制御系を新たに構築し,その制御系について閉ループシステムの安定性を確認した。3.風力発電高効率化のため,巨大なリラクタンス型洋上風力発電機と制御系に対して総合的に解析・検討を実行した。4.構築される適応ロバストベクトル制御系を用いてリラクタンス型洋上風力発電の高効率発電をストレステストで確認した。
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