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2013 年度 実施状況報告書

非線形系・大規模系の制御のための組合せ的構造の設計:凸最適化と感度解析の利用

研究課題

研究課題/領域番号 24560558
研究機関南山大学

研究代表者

大石 泰章  南山大学, 情報理工学部, 教授 (80272392)

キーワードモデル予測制御 / 計算量 / 2乗和多項式 / 近似誤差 / 非線形系 / 分岐 / 有限時間Lyapunov指数 / オンライン計算
研究概要

研究の2年目である本年度は,前年度の成果を受けて次の2つの研究を行った:1.多項式的モデル予測制御器設計法の計算量低減;2.オンラインパラメータ調節によるカオス回避.
「1.多項式的モデル予測制御器設計法の計算量低減」では,前年度得た多項式的モデル予測制御器設計法を改良し,計算量が小さい新しい設計法を提案した.前年度得た多項式的モデル予測制御器設計法は,幾何学的計算をせずに最適なモデル予測制御器の多項式近似を得る方法であったが,計算量が大きいという欠点があった.これを解決するため,近似誤差の状態空間における最大値ではなく積分値を目的関数にすることを考え,サイズが特に大きい2乗和多項式を扱う必要がなくなり,計算量が小さくなることを示した.
「2.オンラインパラメータ調節によるカオス回避」では,前年度得た非線形系のパラメータ調節法を改良し,オンラインでのパラメータ調節ができるようにした.前年度得たパラメータ調節法は,不動点における安定度を最適化するようパラメータ調節を行っていたので,非線形系を時間発展させながら実行することができなかった.そこで本年度は,有限時間Lyapunov指数(または局所拡大率)に着目し,これを最適化するようにパラメータ調節を行うことを考えた.このパラメータ調節法はオンラインでの実行ができ,しかも前年度と同様の最適化法が適用可能である.得られたパラメータ調節法は,Henon写像に基づく非線形系に適用し,カオスの自動回避ができることを確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度の2つの成果の問題点の解決は,本年度の課題として年度初めに設定していたものであり,それを首尾よく達成して研究は順調に進んでいる.

今後の研究の推進方策

これまでの研究で基本算法は完成し,研究の基盤が整った.今後はこの基盤のもとで非線形系・大規模系の制御を考えるべく,算法の拡張や実システムへの適用を行う予定である.

次年度の研究費の使用計画

前年度の未使用分に基づいて,本年度は学会発表を当初計画よりも活発に行ったが,予想したよりも費用がかからず,若干の剰余が生じた.
未使用分は次年度における追加の学会発表に充当する予定である.順調な研究の進展を受けて発表内容は十分であり,有意義な使用ができると思われる.その他は書籍費,計算機関連消耗品,学会参加費などに充てる予定であり,大きな変更はない.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Simplified approaches to polynomial design of model predictive controllers2013

    • 著者名/発表者名
      Yasuaki Oishi
    • 雑誌名

      Proceedings of the 2013 IEEE Multi-conference on Systems and Control

      巻: 1 ページ: 960-965

    • DOI

      10.1109/CCA.2013.6662875

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Polynomial design of model predictive controllers: simplified approaches2013

    • 著者名/発表者名
      Yasuaki Oishi
    • 雑誌名

      Proceedings of the SICE Annual Conference 2013

      巻: 1 ページ: 235-240

    • 査読あり
  • [備考] 学術論文および学会発表

    • URL

      http://www.seto.nanzan-u.ac.jp/~oishi/papers-j.html

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公開日: 2015-05-28  

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