研究課題/領域番号 |
24560563
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
杉本 光隆 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50196755)
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研究分担者 |
豊田 浩史 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (90272864)
玉井 達毅 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (30633911)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 大深度地下 / 地盤工学 / 機械力学・制御 / シミュレーション工学 / シールド工法 |
研究概要 |
都市部におけるライフライン整備には,地表面を占有することなく地下構造物を地中に直接構築できるシールド工法が標準工法として採用されてきている.シールド工法は,シールド機の先端を回転させて地盤を掘削するとともに,シールド機内でプレキャスト部材であるセグメントを組立て,トンネルを構築する工法である.トンネル覆工であるセグメントはシールド機内後部で組み立てられることから,シールドトンネルを計画線形に沿って構築するためには,シールド機の位置と向きを適切に制御する必要がある.しかし,これまでのシールド機制御方法は,制御を二次元平面内に限定していること,シールド機の力学的釣り合い条件を考慮していないことから,三次元複合線形でシールド機を理論的に制御することはできなかった.そこで,本研究では,三次元複合線形でのシールド機の理論的制御手法を開発することを目的として,本年度は,3D空間でのシールド機制御条件計算法に関する以下の研究を行った. 1.コピーカッター使用条件・中折れ角度の計算法の開発:事前検討によると,シールド機の形状(前胴長さ,後胴長さ,中折れ中心~エレクター間距離)によって,コピーカッター使用条件・中折れ角度(以下,制御項目と呼ぶ)の制約条件が異なることが明らかになっている.このため,シールド機をその形状により3タイプに分類し,三次元解析幾何学を用いて,三次元空間での制御項目の制約条件,トンネル計画線形,シールド機外周面,トンネル掘削面を記述し,これらを解くことにより,三次元複合線形を取り扱える制御項目の計算法を開発した. 2.パラメータスタディの実施・評価:①シールド機形状 上記3タイプ;②トンネル線形 平面線形,縦断曲線;③トンネル線形組合せ 平面線形のみ,縦断曲線のみ,三次元複合線形 をパラメータとして,パラメータスタディを実施し,得られた結果の合理性を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」で示したように,当初の研究計画に沿って,おおむね順調に研究は進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
三次元複合線形でのシールド機の理論的制御手法を開発することを目的として,本年度の研究に引き続き,次年度は,力学的釣合い条件を考慮したシールド機制御手法に関する以下の研究を行う. 1.力学的釣合い条件を考慮したシールド機制御手法の開発:平成24年度に開発した3次元空間でのシールド機制御条件の計算法を用いて,コピーカッター使用条件と中折れ角度の初期値を想定するとともに,これまで開発してきたシールド機の力学的釣り合い条件を考慮できる,シールド機動力学モデルを基に,ある一定区間でのトンネル計画線形とシールド機軌跡の偏差の2乗が最小となることを条件とする,シールド機制御方法を開発する. 2.入力物性値の設定:実際の地盤条件を考慮に入れて,数値実験に用いる入力物性値を設定する. 3.パラメータスタディの実施・評価:さらに,パラメータスタディを実施し,同手法の妥当性を検討し,力学的釣合い条件を考慮したシールド機制御手法を検証する.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は,研究支援者人件費の本年度3月分である.
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