研究課題/領域番号 |
24560565
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
内田 裕市 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (20213449)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 超高強度繊維補強コンクリート / 繊維の分散・配向 / 繊維の可視化 / 引張軟化特性 |
研究概要 |
超高強度繊維補強コンクリート(以下,UFC とする)を対象としてコンクリート内部における繊維の分散・配向を可視化することを試みた。その結果,以下のことが明らかとなった。 1.高吸水性高分子材料を用いることで,内部の繊維の配向を肉眼で確認できる無色透明なモデルコンクリート(可視化コンクリート)を作ることができることが明らかになった。このモデルコンクリートを用い,100×100×400mmの標準曲げ供試体を対象として2種類の方法で打ち込んだ場合,打込み方法によりコンクリート中の繊維の配向が明確に異なることが明らかになった。コンクリートの打込み位置を型枠端に固定して打込む方法の場合,最終的に繊維は斜め上方向に配向するのに対して,打込み位置を移動して打込む方法の場合には繊維はランダムに配向することをビデオ画像として撮影した。この繊維の配向の傾向は,繊維の混入率,繊維の種類に依らず同様であることも示された。 2.モデルコンクリートで観察された繊維の配向の性状を実際のUFCで確認するため,鋼繊維を用いたUFC曲げ供試体を切断し,断面内における繊維の分布状況と繊維の切断面の形状を観察した。その結果,切断面の状況から推測される繊維の配向は,モデルコンクリートで観察された繊維の配向と定性的には一致していることが明らかになった。 3.2種類の打込み方法で実際のUFCを作製し,切欠き梁の3年曲げ載荷試験を行った結果,強度が20%程度異なることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
供試体はまだ小型ではあるが繊維の配向の可視化に成功し,打込み方法により配向が変化することを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は当初の計画通り,大型の供試体による可視化実験を行う。また,実際のUFCも製造し,繊維の配向と力学特性の関係についても検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度に画像解析ソフトを購入する予定であったが,実験の結果,機能の再検討が必要となり25年度に延期することとした。
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