再生骨材を適用したPoCの作製に関する課題では前年度設定した課題である、配合と締め固め方法の検討を行った。配合の検討に関しては細粒分、特に土粒子を混合することにより流動性の制御を行ったが、40mm程度の大粒径の骨材周辺へのモルタル付着が不十分となった。また、一部モルタル中に空隙が混合した結果、粗骨材周辺の空隙に加え、モルタル部分にも微小な空隙が混合した。一方、締め固め方法の検討に関しては、供試体(125mm×250mm)の型枠に型枠バイブレータによる締め固めや、モールド上方から打設面に衝撃力を作用させる締め固め方法では、空隙率の制御が難しいと考えられる。以上より、再生骨材を用いたPoCを作製するにあたり、比較的要求強度が大きな場合には、粗骨材最大寸法を20~25mm程度以下とすることが望ましいと考えられる。 近自然環境下におけるPoC表面への粉体接着による生物皮膜の形成と表面性状改善効果の関連を検証した。検証システムとして、100ℓの貯水タンクに河川水を貯蔵し、約60ℓ(φ390mm×510mm)の円筒形水槽2個の各々に、表面性状改善の有無が異なるPoC試験体(125mm×250mmの円柱供試体に、セメントペーストにより竹粉を接着し表面性状改善した)を静置し、非常に緩やかな流速を設定した状態(両水槽下部に毎時10ml程度流入させ上部より排水する)で、pHの経時変化を計測した。計測期間は10月から12月にかけてと水温が低い冬季期間であったため、表面性状改善の有無によるpHの有意な差が確認できなかった。これは、水中の微生物の活動が停滞した影響と考えられるが、本件に関しては研究を継続予定である。
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