構造物の腐食現象への現在の対策は,海岸線からの距離に依存した簡単な飛来塩分量の予測をもとにしたものである.しかし,実際の構造物の腐食状況をより詳細に検討するために個々の構造物の近傍について流体解析をもとに浮遊塩分粒子の構造物表面への付着を検討していくのが合理的である.その解析の初期境界条件のひとつとして空気中の塩分粒子濃度を知る必要がある.本研究ではこの浮遊塩分量を数値的に推定する手法を提示し,その精度をエアサンプラによる観測により確認した.さらによく使われる指標であるフィルター法(JIS Z 8814)による浮遊塩分濃度の観測値との関連についてもあきらかにした.
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