本研究では,精密小型加振機と加速度無線センサネットワークを結合した構造センシングシステムにおいて,対象構造物の周波数伝達関数を高精度に推定する手法を開発した.この手法は,計測された加速度波形から変位波形を求め,振源関数と一緒にARX法を用いて解析することで,対象構造物の周波数伝達関数を高精度に推定するものである.2m超の鋼製単純梁を用いた振動実験を行い,計測により得られた周波数伝達関数を誤差3%程度で表現できる有限要素モデルを同定できることを示した.さらに,道路標識を対象とした原位置試験を行い,周波数伝達関数を同定するとともに,錘による固有振動数変化を精度よく同定できることを確認した.
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