| 研究課題/領域番号 |
24560596
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 研究機関 | 北海道大学 |
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研究代表者 |
福田 文彦 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80241355)
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| 研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| キーワード | 地盤調査 / 試料の乱れ / 異方変形特性 / 弾塑性パラメーター / 土質試験 / 室内試験 |
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| 研究概要 |
本研究課題の目的は三つである。第一は自然地盤と同等な「構造」を持つ地盤試料の人工的作成法の開発であり，第二は地盤試料の異方弾性特性や先進的な弾塑性モデルで必要とされる各種パラメーターを測定することのできる精密三軸試験装置の開発であり，第三のそして最終的な目的は上記の人工試料と三軸装置を用いてサンプリングのシミュレーション試験を行い，自然粘土の異方弾性特性や弾塑性特性に及ぼすサンプリングの影響を明らかにするとともに，サンプリングされた試料の力学試験結果から，サンプリングの影響のない力学特性の推定法を提案することである。
平成２４年度は上記三つの目的のうち，構造を持つ地盤試料の人工的作成法の開発と精密三軸試験装置の開発を行っている。自然地盤の構造の実態は土粒子間の固結力であるとされている。そこで第一の目的を達成するためにセメント添加粘土の予圧密試料を作成して定ひずみ速度圧密試験を行い，構造を持つ自然地盤試料と同じような挙動が得られるか否かについて調べた。この実験よりセメントの添加によって構造を持つ地盤試料の特徴的な圧密挙動が再現できることが明らかになった。具体的にはe-logp'面上におけるセメント添加粘土の圧縮線が無添加粘土の圧縮線よりも右側に移動する挙動と，圧密圧力の増加に伴ってセメント添加粘土の圧縮線が無添加粘土の圧縮線に収束する挙動である。
またすでに述べたとおり平成２４年度は三軸試験装置の開発も行っている。具体的には異方弾性特性を測定するために既存の三軸試験装置にLVDT，ギャップセンサー，ベンダーエレメントなどを取り付けるとともに，装置を制御するためのコンピュータープログラムの開発などである。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では平成２４年度の終了時点で，人工自然地盤試料の作成方法を確立するとともに，三軸試験装置を完成させ，少なくとも予備実験を終了させる予定であった。それに対して平成２５年の４月の時点では，三軸試験装置が完成していないため，自己評価は（３）のやや遅れているとした。この遅れの主たる理由は，平成２４年度においては学生の就職担当教員として，就職指導にかなりの時間を割かなければならなかったためである。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究の最終目標は（１）サンプリングが構造を持つ自然地盤試料の微小変形特性を含む様々な力学特性におよぼす影響を明らかにすること，（２）サンプリングされた試料の力学試験結果からサンプリングの影響のない力学特性を推定する手法を開発すること，の二つである。これらの目標を達成するために本研究では（１）構造を持つ自然地盤試料と等価な特性を持つ地盤試料作成法の開発，（２）微小変形特性を測定することのできる三軸試験装置の開発，（３）開発した地盤試料と三軸試験装置を使用してサンプリングのシミュレーション実験を行い，サンプリングが構造を持つ自然地盤試料の微小変形特性を含む様々な力学特性におよぼす影響の解明，（４）（３）の成果にもとづいてサンプリングの影響のない力学特性の推定推定法の開発，の四つを行う。これら4つの目標のうち（１）については，平成24年度の研究によって，粘土にセメントを添加して予圧密することにより，構造を持つ自然体積粘土に特徴的な挙動が再現できることを明らかにした。
平成２５年度以降の研究目標は，（１）微小三軸試験装置の完成，（２）構造を持つ自然地盤試料と等価な特性を持つ試料を用いてサンプリングのシミュレーション試験を微小三軸試験装置を用いて行い，サンプリングが試料の力学的特性におよぼす影響を明らかにする，（３）サンプリングされた試料の力学試験結果からサンプリングの影響のない状態の力学特性の推定法の提案，の三つである。これら研究目標のうち，（１）については実験のスピードをあげるため２台目の三軸試験装置の製作も予定している。また（２）については，先行研究事例の少ない，微小変形特性におよぼすサンプリングの影響について重点的に調査を行うものとする。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度においては二台目の微小変形の測定が可能な三軸試験装置の製作に着手しなかったため，２４年度に交付された予算の一部を２５年度に繰り越すことになった。繰り越した予算は２５年度において，（１）微小三軸試験装置製作と改良（２）実験を実施するための各種消耗品の購入などに使用する予定である。
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