研究課題/領域番号 |
24560597
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
川村 志麻 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90258707)
|
研究分担者 |
三浦 清一 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00091504)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 盛土 / 地震動 / 波 / 安定性 / 模型実験 |
研究概要 |
本研究は,地震および波の相互作用に対する盛土構造物の安定性に着目して,繰返し載荷履歴を受けた盛土構造物の崩壊のメカニズムの解明とその危険度評価法を提案することを目的とする.近年の地盤災害を考えると,地震動と他の外的要因の影響を複合的に考慮する必要があり,より高度でかつ信頼性の高い評価法を提案することが急務であると言える.ここでは,現有している二次元平面ひずみ模型土槽内に一次元(1自由度)の繰返し振動載荷履歴を与えることが可能な装置を付設し,地震動と波の載荷履歴を与えた模型実験を実施し,実務に適用可能な盛土構造物の耐震・耐波に対する評価手法の検討を行う.本年度は,はじめに,波の侵食作用による斜面崩壊の安定評価法を整理した.その後,一次元の繰返し振動載荷履歴を与えることが可能な装置を試作し,性能試験を行った.以下にその結果を示す. (1)波の侵食作用のみに起因した斜面崩壊では,提案した破壊基準式ならびに侵食距離を考慮した本解析手法は,簡便に合理的に波による斜面の安定性を評価できることを確認した. (2)振幅を最大±50mm,周波数を0.05 Hz~5.0 Hzまで調整できるようになっている油圧式の振動載荷装置を新たに試作し,その適用範囲を把握した. (3)行った性能試験では,実物の縮尺1/5である60度の模型斜面(締固め度Dc=90%)を作製し,3種類の加振実験を行った.入力加速度は250 gal, 280gal, 310galである.それらの結果より,斜面崩壊時では入力加速度と振動回数との間には一義的な関係が存在することが明らかにされた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に計画していた一次元の振動載荷装置の試作,性能実験の実施について,いずれも計画通りに実施できた.
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度も研究計画通りに実施する予定である.締固め度と斜面角をそれぞれ3種類程度変化させ,それらのパラメータの違いによる斜面崩壊現象の変化(すべり形状,崩壊範囲など)を明確にする.その後,現有の二次元平面ひずみ模型土槽に過去の研究で製作した造波装置を付設し,波の周波数と波高を変化させた模型実験を実施する.得られた結果から,地震動前後に波の作用を受けた場合の複合的な斜面崩壊機構を明らかにする.
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|