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2012 年度 実施状況報告書

造粒固化処理土の時間依存変形挙動の解明とモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 24560600
研究種目

基盤研究(C)

研究機関横浜国立大学

研究代表者

早野 公敏  横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 准教授 (40302632)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード土質改良 / リサイクル / 有効利用 / 建設資源
研究概要

土質改良された人工地盤材料として,近年,注目されている造粒固化処理土について,原料土は一般に含水比の高い粘性土であるが,造粒により砂礫状になっており,どのようなタイプの時間依存変形挙動を示すかは未解明である.そこで,本研究では造粒固化処理土の時間依存変形挙動の解明とモデル化を目的としている.
本年度はまず現地で採取した浚渫土砂に対して,含水比低減剤および固化材(セメント系固化材)を添加した後,撹拌・混合を施して造粒化を行った.浚渫土の含水比,含水比低減剤の種類・添加量をいろいろに組み合わせて,造粒化が可能な配合条件を見出した.具体的には含水比低減剤として石炭灰とPS灰を用い,PS灰のほうが浚渫土砂の含水比の変動に対して,ばらつきの少ない造粒固化処理土の作製が可能であることを見出した.これらの配合試験結果により,構成する個々の土粒子の含水比や粒度分布,強度・硬さの状態が異なる造粒固化処理土を準備することができるようになった.
また,時間効果に関する予備的な検討として,長期水浸時の造粒固化処理土の粒子破砕の状況について確認を行った.その結果として,含水比低減剤としてPS灰を用いたほうが石炭灰に比較して,水浸による粒子破砕の程度が少ないことが明らかになった.また,乾燥収縮が粒子破砕に及ぼす影響について注意を要することがわかった.
最後に,造粒固化処理土の作製を行った後,三軸試験装置の高機能化を行った.具体的には超低速から高速の載荷を,同一の供試体に対して実施できるように,メガトルクボモータ載荷制御システムを採用した載荷装置の改良を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

海上や河川工事で発生する浚渫土砂は,細かい粒径の土砂で水分を多く含むため,そのままではほとんど有効利用できない.そこで本研究では有効利用を促進させるために造粒化技術に着目した.浚渫土砂に対して,含水比低減材と固化材等を添加して砂礫状の粒状体に転換するものである.軽量性や高い液状化抵抗性を有し,通常の山砂と同様
にストックや運搬ができるメリットを持っているが,個々の粒子の含水比が山砂に比べて高いために,変形挙動に時間依存性が存在する.そのため,標準的な試験や基準では造粒固化処理土の利用・適用範囲を検証できない.
そこで本研究では室内試験を系統的に実施して,造粒固化処理土の時間依存変形挙動の解明とモデル化を行うことを目的としており,研究初年度の本年度は,造粒化が可能な配合条件,ばらつきや水浸時の粒子破砕の少ない含水比低減剤の選択,三軸試験装置の改良などが実施できたことから,おおむね順調に進展していると評価した..

今後の研究の推進方策

前年度までに得られた知見をもとに,造粒固化処理土の三軸圧縮試験を実施し,せん断変形時の造粒固化処理土の時間依存変形挙動の解明とモデル化に必要なデータを得る.特に粒子破砕および粒子変形が時間依存変形挙動に大きな影響を及ぼしていると予想されることから,さまざまな載荷速度や応力状態における粒子破砕および粒子変形の程度を定量的に評価したのち,これらの影響を考慮したミクロおよびマクロスケールの時間依存変形挙動のモデル化を試みる.

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 造粒砂の粒度分布に着目したPS灰および石炭灰の配合条件と造粒メカニズムの検討2013

    • 著者名/発表者名
      藤嶋恵輔,早野公敏
    • 学会等名
      第48回地盤工学研究発表会
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      20130723-20130725

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公開日: 2014-07-24  

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