研究課題/領域番号 |
24560601
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松本 樹典 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (10143877)
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研究分担者 |
小林 俊一 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (10243065)
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キーワード | パイルド・ラフト / 繰返し水平載荷 / 鉛直載荷 / 模型実験 / 砂地盤 / 振動実験 / FEM解析 / 変形 |
研究概要 |
平成25年度は,乾燥砂地盤における杭基礎模型(3本杭群杭PG,3本杭パイルド・ラフト基礎PR)およびその構成要素である単杭,ラフト,1本杭ラフトの鉛直載荷実験を実施した。また,PGとPRの繰返し水平載荷実験を行い,大変形に達するまでの挙動を調べた。さらに,乾燥地盤と飽和地盤において振動実験を実施した。 以上の実験から,次のような主要な結果が得られた。(1) PRの鉛直抵抗は,単に杭のみとラフトのみの抵抗力の和ではない。ラフト底面からの地盤への応力の伝達によって,ラフト下の杭の鉛直抵抗は,単杭の抵抗力よりも大きくなる。(2) 水平抵抗についても,ラフト底面摩擦による水平変位抑制効果が著しい。また,ラフト下の杭の水平抵抗もラフト底面からの地盤への応力の伝達によって,単杭のそれらよりも大きくなる。 (3) 水平載荷では,front pile, center pile, back pile の水平荷重分担が水平変位の大きさによって,著しく変化する。これも,ラフト底面から地盤に伝達される横領の程度が杭位置によって異なるためである。(4) 振動実験では,同じ入力加速度では,PGの水平応答加速度がPRに比べてに小さくなった。これは,PGでは杭と表層地盤の間の水平相対変位がPRに比べてより生じるためと考察される。しかし,振動中のPRの沈下抑制効果は,群杭に比べて明らかに優っている。(5) 飽和地盤における振動実験では,地盤が部分的に液状化したが,PRの安定性は,群杭よりも明らかに優っている。 以上の実験結果に基づき,地盤の変形係数の応力依存性を表現できる地盤モデルを用いて,静的鉛直載荷実験および水平載荷実験の3次元FEM解析を実施した。解析結果は,実験結果をほぼ再現した。このような解析手法は,砂地盤におけるパイルド・ラフト基礎の設計手法として非常に有望であることを示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に予定していた模型実験が予定通りに終了した。また,静的載荷実験のシミュレーションも順調に進行した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は,解析(設計)手法に関する研究の実施を主体とする。動的解析は,現時点では未着手であるが,地震時設計を念頭に置き,動的解析も実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験補助のための謝金が予定より,少なくて済んだためである。 平成26年度にも実験を継続するため,生じた次年度使用額を実験補助のための謝金に使用する予定である。
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