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2013 年度 実施状況報告書

熱環境下における岩石フラクチャーの透水・力学特性変化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24560607
研究機関愛媛大学

研究代表者

木下 尚樹  愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (30263958)

キーワード透水性 / 岩石不連続面 / 持続載荷特性 / せん断・透水特性
研究概要

熱水貯蔵システムや高レベル放射線廃棄物の地層処分では地下岩盤空洞の長期性能評価が重要な課題となる.これらの空洞では周辺岩盤に非定常の温度分布が生じ,熱応力も発生する.結晶質性の硬岩では不連続面が水理学・力学的な弱面になるため,これらの透水
・力学挙動を把握することは重要な課題の一つである.研究代表者は高温・高圧下における結晶質岩不連続面の透水挙動を定量的に評価し,鉱物の溶解作用が透水性に及ぼす影響を明らかにした.本研究では,これらの成果をさらに発展させ,不連続面への力学作用が透水挙動や鉱物溶解作用に及ぼす影響について定量的に評価し,透水・力学特性変化メカニズムの解明を行う.
具体的には,不連続面の透水特性変化に及ぼす力学的作用の定量評価は十分ではないことから,不溶解性流体を用いた鉱物溶解現象のない透水実験による力学的作用の影響を定量的に評価する.また,不連続面垂直方向への持続載荷実験(クリープ実験)により不連続面の開口幅変化を把握し,力学的作用の定量評価を行う.
つぎに,現有の岩石せん断実験装置に透水機能を持たせ実験を行い,不連続面に平行方向のせん断応力が透水・力学特性変化に及ぼす影響について評価する.さらに,高温・高圧環境下での透水・せん断履歴を受けた不連続面表面の微視構造観察を行い,透水・力学
特性変化に影響を及ぼす要因を探索する.これらの結果により,熱環境下における岩石フラクチャーの透水・力学特性変化メカニズムを解明する.
平成25年度は,(1)不連続面垂直方向への持続載荷実験(クリープ実験)による力学的作用の定量評価,(2)熱環境状態を保持した不連続面のせん断・透水特性の経時変化を実験により定量評価した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度は,(1)不連続面垂直方向への持続載荷実験(クリープ実験)による力学的作用の定量評価,(2)熱環境状態を保持した不連続面のせん断・透水特性の経時変化を実験により定量評価した.
具体的には(2)不連続面垂直方向への持続載荷実験(クリープ実験)による力学的作用の定量評価を実施した.持続載荷実験用セルおよび温度循環装置を用いて持続載荷実験として透水実験と同様な温度,応力,時間条件において実施した.供試体は乾燥,湿潤(純粋,不溶解性流体)にて行ない,変位はひずみゲージ,レーザー変位計,ピストン変位など複数で計測した.同時に循環流体の定量分析も行い,載荷実験の結果から力学的作用の影響を定量評価した.(2)熱環境状態を保持した不連続面のせん断・透水特性においては熱環境にて保持された不連続面に対し,透水を行いながらせん断試験を実施し,せん断特性の経時変化を把握し,透水特性との関連性を評価した.

今後の研究の推進方策

平成26年度は,アルカリ環境流体を用いた透水実験による化学・力学的作用の影響評価,不連続面せん断透水実験によるせん断応力が透水特性に及ぼす影響の検討【継続】,不連続面表面の微視構造観察および透水性経時変化のメカニズム解明,構成則の構築を計画しており,岩盤空洞周辺の熱・水・応力・化学連成解析手法の開発につながり,精度の高い岩盤空洞の長期安定性評価を実施できると確信する.現在,信頼性の高い熱・水・応力・化学連成解析手法は確立しておらず,本研究は全世界的に観ても非常に独創性が高く,長期安全評価を行うための有益な成果が得られると期待する.

次年度の研究費の使用計画

実験が継続中のため,当該年度購入予定の実験消耗品を購入しなかったため.
継続中の実験について,消耗品を購入する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 熱環境下における岩石不連続面の透水特性に及ぼす化学・力学連成作用2013

    • 著者名/発表者名
      木下尚樹,安原英明,橋本克樹
    • 雑誌名

      Journal of MMIJ

      巻: 129 ページ: 485-491

    • 査読あり
  • [学会発表] 持続載荷による岩石不連続面の変形挙動に及ぼす熱・水・応力の影響2014

    • 著者名/発表者名
      木下尚樹,安原英明,崎山久美子
    • 学会等名
      第42回岩盤力学に関するシンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20140109-20140110

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公開日: 2015-05-28  

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